三連休オリンピックを満喫した事と思います。選手も期待に応えて精一杯のパフォーマンスを見せてくれました。人権問題などで外交ボイコットにまで発展した冬季北京オリンピック。その後もスキージャンプ団体の規定違反やスノーボードハーフパイプの得点、更にはフィギュアスケートの禁止薬物……トラブル続きだが、選手達の各競技への真摯な取り組みや、一途な姿勢に救われた気がする。あと一週間、選手達が競技に専念出来る環境を作って欲しい。
2月12日
銀 スキージャンプ男子ラージヒル 小林陵侑
銅 スピードスケート男子500m 森重航
2月13日
銀 スピードスケート女子500m 高木美帆
2月13日現在 金2銀4銅5
母に捧げる銅メダル・森重航
まさに新星という言葉にぴったりの森重航。今シーズンW杯で活躍してランキング2位なので決して無名ではないのだが、一般の人には女子の小平奈緒や高木美帆ほど知られた存在ではない。今時珍しい8人兄弟の末っ子として生まれ、中学時、全国大会500メートルを新記録で制し、1000メートルとの2種目制覇した逸材。高校でも全国高校選抜で二冠になり、専修大学に進学して、W杯には今季から参戦の21歳。
小学生時代から離れたリンクや大会地への送迎などのサポートをしてくれた母敏恵さんが、癌で闘病中の北海道から東京でスケートに励む息子に掛けた命懸けの最後の電話。「スケート、がんばれ……」2年半前の母の最後の言葉を胸にスタートに立った森重。34秒3台というハイレベルな戦いの中、「自分の滑りに集中した」と得意のカーブを軽やかに滑走し、亡き母に感謝のメダルを捧げた。
2つ目の銀・高木美帆
正に、オールラウンダーの面目躍如。今大会5種目に参戦の高木美帆。2月5日6位入賞の3000メートル、7日には平昌五輪に続いて2大会連続の銀メダルを獲得した本職の1500メートル。前日の12日にはパシュートでオリンピック新記録を出して準決勝進出を決めたばかり。疲れていないはずはないが、疲れて力みが取れて快走に繋がる場合もあるのがスケートの面白さ。
そして、本命とみられた小平奈緒が今大会初めてのレースなのに対して、パシュートを含めて4レース目になる高木美帆は氷面の特徴を掴んでいる上に、レース慣れもしている。その上、得意の1500メートルとは違って気楽に滑れるというアドバンテージもあったはず。好スタートから伸び伸びしたスケーティングで、早い組で好時計を出して後ろの有力候補達にプレッシャーをかけて、見事に銀メダルに繋げた。
トピック(小平奈緒)
え、と思わず目を疑ってしまった。いつもの伸びやかな滑りが出来ない小平奈緒。テレビの画面には小平らしからぬ遅れた数字が表示されて行く。動きが硬く最初の100メートルで出場30人中、20位の10秒72。その遅れが焦りを生むのか後半になってもスピードに乗れない。結局、38秒09とその時点でトップの高木美帆から0秒97遅れの惨敗。
「自分自身にこんなにがっかりした事はない。一歩目で左足が引っ掛かり、立て直せなかった。」と言う小平。「あ、スタートがちょっと遅い。諦めるな、頑張れー」放送ブースで解説する平昌五輪のライバル季相花のエールも届かず、まさかの17位。その平昌五輪後、股関節の違和感から不振に陥り、今季復調したばかりの小平。本命種目ではまさかの結果になったが、「覚悟を持ってやり遂げたい」と前回銀メダルの1000メートに挑む。
今日、明日の見所
第11日目(14日)は、1998年長野オリンピック以来24年振りの金メダルを目指すスキージャンプ男子団体に、今大会金、銀メダルを獲得した小林陵侑など4選手が挑む。更に、大塚健、浜田海人ら4選手が決勝進出を目指すスノーボード男子ビッグエア。また、同女子には村瀬心椛、岩渕麗楽、鬼塚雅の3人が出場。
第12日目(15日)は、前日スノーボード女子ビッグエアの予選で2位、3位、5位と上位で通過した村瀬心椛、岩渕麗楽、鬼塚雅の3人がメダル獲得を目指す。更には同男子の予選を通過した大塚健、國武大晃もメダルに挑戦。