新型コロナウイルス感染により遅れていたプロ野球が6月19日3ヶ月遅れで開幕。プロ野球ばかりでなくJリーグ、テニス、ゴルフ……等のプロスポーツに、高校野球、インターハイ等のアマチュアのスポーツシーンを奪い取ってしまった新型コロナウイルス感染。
しかし、非常事態宣言解除を機にプロ野球やJリーグ等のプロスポーツに各種イベント。そして、甲子園に代わる各都道府県単位の高校野球、インターハイ中止を受けての都道府県レベルの各競技大会と、無観客とはいえ最高学年の生徒達を救う動きが出てきた。
そして迎えた6月19日。無観客の中、投手の投げるボールが捕手のミットに収まる音。打者のバットスイングの音や、ベンチからの野次の声等がはっきり聞こえる新鮮な形でスタート。例年より20試合以上少ない120試合のペナントレースのセリーグの優勝争いを占ってみる。
● 本命はDeNA
もともと打線はリーグナンバーワンの破壊力。今季大リーグに移籍した筒香嘉智の穴が課題だったが、ラミレス監督が2年連続ホームラン王のソト以上と期待するオースティンが十分にカバーしている。梶谷、ソト、オースティン、佐野、ロペス、宮崎と続く打線は切れ目がなく相手投手には厄介な存在。
特に、プロ入り4年目でこれまでレギュラーでなかったにもかかわらず、4番に抜擢した佐野恵太の活躍。前後の強打者に囲まれて臆するところがなく、ホームランこそまだないものの全9試合で4番に座って9試合連続安打の3割8分2厘。押しも押されもしない4番打者。
この球団にとって毎年アキレス腱になるのが投手陣。しかし、今年は例年とは違う。エース今永昇太、平良拳太郎、濱口遥大、井納翔一、坂本裕哉……と、ここまで2試合連続打たれたマイケル以外は安定した成績を残している。抑えには守護神山崎康晃が控えているだけに、この先発陣は安心して前半から飛ばしていける。
このチームにとって唯一の弱味は経験か。ベイスターズとしてのリーグ優勝は1998年鈴木、ローズ、駒田を擁して『もののけ打線』と恐れられた時より21年間遠ざかっている。ただ、2017年クライマックスシリーズ優勝はこのチームにとって大きな財産。これから争うであろう優勝争いの常連巨人、広島に対して心臓の縮み上がるような終盤で、呑まれる事なく戦っていけるか否かが全てを決める。
● 巨人が2番手
現在セリーグトップと予想通りの快調なペースで走っている。コロナウイルス禍でこれから過密日程になる今シーズンは、選手層の厚い巨人には有利。ただ、頼みとする打線は昨年同様に安定感のある坂本勇人、更に進化して真の4番を目指す岡本和真の二人だけ。
開幕から不振で3番を任せられない丸佳浩、ベテランの亀井善行辺りがクリーンアップではDeNAの破壊力ある打線との差は歴然。ただ、中島宏之、陽岱鋼らの実績ある選手が控えているのは他球団にはない強味。後は強力な助っ人外人を補強出来るかが勝負の分かれ目になりそう。
投手陣は先発は菅野智之、田口麗斗、アンヘル、戸郷翔征、クリストファー、桜井俊貴……で回っているが、本当に星勘定出来るのは菅野だけ。後は、一年を通してローテーションを維持出来るかは分からない。抑えもルビーがシーズンを通して活躍出来るのか……。
● 他の球団は……
一応、DeNA、巨人の争いとみているが今シーズンはコロナウイルス禍による異常事態。試合数も120試合だけに勢いがついたチームが一気にリードして、優勝戦線に狂いが生じる可能性がある。
2強に割って入るとしたら大瀬良大地、鈴木誠也と投打に絶対的存在がいる広島。更に、バレンティンの抜けた穴は大きいが、山田哲人、青木宣親、村上宗隆が引っ張るヤクルト。阪神、中日は投打ともに苦しくチームを引っ張る救世主が現れなければ優勝戦線に絡む可能性は低いだろう。
ただ、優勝争いにしても下位に陥落するにしても、今シーズンは例年以上に連勝、連敗が鍵を握る事になる。下馬評の高いチームが連敗から崩れる可能性もある反面、下位のチームが連勝から一気に波乱を呼び起こす場合もあり得る。特殊な状況のシーズンだけに、よりスリリングな優勝争いがみられそうな気がする。