冬季北京オリンピック4日目、フィギュアスケート団体、スキージャンプ団体などが行われたが、その団体では明暗が余りにも非情に分かれた。フィギュア団体は男女4選手の他に急成長を見せたペアの活躍で初めてのメダルとなる銅を獲得。しかし、ジャンプ団体は高梨沙羅にスーツでの規定違反があり、1回目のジャンプが失格になり4位に終わってしまった。
2月7日
銀 スピードスケート女子1500m 高木美帆
銅 フィギュアスケート団体
2月7日現在 金1銀1銅2
総合力の強さフィギュア団体
これまで、羽生結弦や宇野昌磨、浅田真央などの名選手を輩出してきた日本のフィギュア界。しかし、団体戦はペアやアイスダンスのレベルが低い日本はメダル獲得には至らなかった。2014年ソチ五輪、2018年平昌五輪共に5位に終わっている。しかし、今大会は三浦璃来・木原龍一のベアが、グランプリシリーズで入賞する活躍でメダル獲得への期待か高まっていた。
男子SPで先陣を切った宇野が9点で流れを作ると、アイスダンスSPの小松原美里・小松原尊ベアが4点獲得。SPの三浦・木原組が期待に応え7点、女子SPの樋口新葉が9点。更に、進境著しい男子フリーの鍵山優真がトップの10点獲得。その後のフリーでも順調に点を加えて銅メダル獲得。男女の4人の層の厚さに加えて、ベアのレベルアップがメダル獲得への原動力となった。
泣き笑いの銀・髙木美帆
「また、銀メダル……」前回の平昌五輪で団体パシュートで金、1500メートルで銀、1000メートルで銅と、3つのメダルを獲得した高木美帆。今回の銀メダルで冬季五輪日本人最多の4個獲得したが、ゴール直後の笑顔は無かった。これまで、世界オールラウンド選手権や世界スプリント選手権などの総合トップはあるが、どうしても獲りたい個人のタイトル。
1500メートルは、2019年3月10日ソルトレイクシティで出した、1分49秒83の世界新記録保持者として、満を持して臨んだ得意の距離。しかし、前回金メダリストのオランダのブストが3組前で出したオリンピック新記録を意識したのか、最初の300メートル以外は全てライバルに遅れてしまった。27歳の円熟期で取れなかった金メダル。高木美帆の挑戦はまだまだ続く……。
トピック(ジャンプ団体)
一瞬、何が起こったのか分からなかった。女子個人ノーマルヒルで4位に終わり、オリンピック金だけでなく、2大会連続メダル獲得も逃した高梨沙羅が先陣を切って103メートルの大ジャンプ。しかし、その後スーツの規定違反で失格。高梨のポイントは取り消しになり、この時点で日本のメダル獲得への夢は費えた。
今回の規定違反は体とスーツのゆとりの幅が規定より大きくなって失格になったもの。スーツが大きくなると表面積が大きくなって浮力が増大するので有利になる。しかし、高梨の他に4人が失格になったが、みんな個人戦の時と同じスーツを着用していたという。「これまで経験した事がない程長い時間、何か見つかるまて検査が続くような感じだった」と言うドイツ選手。新種目の混合団体は後味の悪い幕切れになってしまった。
今日、明日の見所
第5日(8日)は、羽生結弦が三連覇を目指すフィギュア男子ショートプログラム、アイスホッケー女子日本ーチェコ、スノーボード女子パラレル大回転などが行われる。何といっても注目はフィギュア男子。羽生の他に団体で銅メダル獲得に貢献した宇野昌磨、鍵山優真も好調で複数メダルが期待されるだけに、好スタートを切って欲しい。
午前中に行われたフィギュア男子は、ネイサン・チェンがトップで2位鍵山、3位宇野。羽生はジャンプ失敗でまさかの8位と出遅れ。
第6日(9日)は、5度目のオリンピックで頂点を目指す渡部暁斗がノルディック複合の個人ノーマルヒル10キロメートルに登場。スキージャンプと10キロメートルクロスカントリーで初めての金を目指す。また、有力4選手で複数メダル期待のスノーボードハーフパイプ予選に、2大会連続銀メダルの平野歩夢、2021世界選手権者戸塚優斗などが挑む。
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