え、と目を疑ってしまった。私自身がランニングが趣味で週に数回走っているが、例年参加しているマラソン大会は新型コロナウイルス禍の中、今年で3年連続中止。地方の数千人規模の大会はコロナ感染対策で殆んど中止に追い込まれている。著名なマラソン大会はトップ選手だけの競技マラソンとして開催している。
しかし、走りたいのは山々だが市民が参加しての大規模なマラソン大会は、コロナウイルスが猛威を振るう昨今の状況下では開催するべきではないと考えている。それなのに連日1万人以上の感染者数が伝えられ、蔓延防止等重点措置が延長される東京で2万人弱のランナーが走るとは……。
東京マラソンとは
東京マラソンは2007年に、それまでの『東京国際マラソン』『東京国際女子マラソン』『東京シティハーフマラソン』『東京シティロードレース』が統合されて、アスリートと市民ランナーが同時に走る、市民参加型の大レースとして再出発。現在では『名古屋ウィメンズ』と共に日本で2つだけの『エリート・プラチナ・レベル』に認定されている。
30000人以上が走る国内最大規模の上に、首都東京で著名人、芸能人、アナウンサー等が参加して競技会というよりイベントの趣きが高い東京マラソン。市民が参加するにも倍率が高くてなかなか走れないのが実情の中、2009年からは一般枠とは別に多額の参加費を払う人の『チャリティ枠』が設けられた。また、やはり2009年から日本初の賞金レースとなって現在に至っている。
今何故、東京マラソン
しかし、毎年順調に行われて歴史を刻んできた東京マラソンに試練が訪れる。2020年第14回大会は新型コロナウイルス感染拡大のために、一般参加者の部は中止になり、エリートの部と、車いすエリートの部のみの開催になった。更に、2021年は新型コロナウイルスの収束が見えない中、3月から10月に変更となったが、緊急事態宣言の延長により2022年3月6日に延期となった。
紆余曲折の末に3月6日行われた東京マラソン。しかし、新型コロナウイルス感染が未だに収束の見えない今、開催には賛否両論がある。今大会は蔓延防止等重点措置が適用されている中、参加人数を38000人から25000人に減らし、参加者にはPCR検査の義務化、スタートを3回に分ける等の感染対策が取られた。しかし、それでも何故今マラソンなのかという疑問は残る。
20000人近くのランナーが走り、自粛された沿道での応援も随所で人だかりが見られた。賛成派からは『イベントにおけるウィズコロナの試金石になる』という声も聞かれたが、蔓延防止等重点措置の今やるべき事ではないはず。私は小池百合子都知事の感染対策は慎重で、優柔不断な政府よりも信頼している。しかし、今回は疑問を抱かざるを得ない。全国各地からの参加者が感染拡大の要因にならないのを祈るしかない。
東京マラソン結果
男子成績
1 E・キプチョゲ(ケニア)2・2・40
2 キプルト(ケニア) 2・3・13
3 トラ(エチオピア) 2・4・14
4 鈴木健吾(富士通) 2・5・28
5 キタタ(エチオピア) 2・6・12
6 L・コリル(ケニア) 2・6・37
7 其田健也(JR東日本) 2・7・23
8 湯沢舜(SG・HD) 2・7・31
9 聞谷賢人(トヨタ紡織) 2・7・55
10 ギザエ(スズキ) 2・7・55
女子成績
1 B・コスゲイ(ケニア) 2・16・02
2 A・ベケレ(エチオピア) 2・17・58
3 ゲブレシラシエ(エチオピア)2・18・18
4 タヌイ(ケニア) 2・18・42
5 ゲブレキダン(エチオピア) 2・19・10
6 一山麻緒(ワコール) 2・21・02
7 新谷仁美(積水化学) 2・21・17
8 ホール(アメリカ) 2・22・56
9 H・ベゲレ(エチオピア) 2・24・33
10 森田香織(パナソニック) 2・27・38
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