中日８日目を終わって予想通りの混戦模様の大相撲秋場所。役力士に全勝、１敗はなく平幕力士２人の後塵を拝する状況。ある程度は上位陣の不甲斐なさは予想していたが余りにも酷い状況。場所前に期待したハイレベルでの上位陣の優勝争いは既に不可能。横綱照ノ富士が３敗、大関陣は貴景勝が２敗、カド番の御嶽海５敗、正代に至っては初日白星発進の後まさかの７連敗。また、期待された６人の三役陣は最高で３敗と全くの期待外れ。もう、呆れた状況だが後半戦の行方を占ってみたい。
全勝 北勝富士
１敗 玉鷲
２敗 貴景勝、高安、若元春、錦富士、王鵬、千代翔馬
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不甲斐ない上位陣
いくら荒れた場所でも、これ程酷いのは初めてだろう。貴景勝以外の２敗以内は全て平幕力士。最大の戦犯は照ノ富士。確かに初日から膝に不安は見えたが、横綱として出てきた以上は言い訳は出来ない。横や前後の動きには付いていけない状態で、力強さにも欠けるし安定感はゼロ。一人横綱としての責任もあろうが、まともに動けないなら休んで状態を整えた方が良い。余りにも不甲斐ない成績では綱の権威を汚しかねない。
一応２敗を守ってはいるが前途多難な貴景勝。首の故障もあるのだろうがこの人本来の立ち合いから圧倒する当たりが見られない。回しを取られたらお仕舞いの取り口では、今後当たる上位相手に苦戦は必至。連勝スタートで復活を期待したカド番の御嶽海。しかし、その後は僅か１勝だけ。立ち合いは悪くないが土俵際攻め切れない相撲が多く力強さに欠ける。まだ上位陣との対戦が５番残されているだけに、大関陥落の可能性がある。全く分からないのが正代。初日快勝した時はカド番脱出した先場所後半の勢いがあるかに見られたが、その後７連敗。取り口に工夫が見られず、漫然と当たって相手に差されて腰高になって土俵を割る繰り返し。御嶽海に続いて来場所大関陥落の可能性が大きい。
ある意味、大関陣以上に期待された３関脇３小結の三役陣。いつも通り序盤戦が悪く３連敗スタートの東関脇の若隆景。前半好調も力強さに欠けて４敗の豊昇龍。立ち合いから手数は繰り出すが一発の威力に欠ける大栄翔。小結陣は休場の阿炎。先場所優勝で覚醒したと思われたが、一場所で元に戻ってしまった逸ノ城。しぶとさに力強さが加わって躍進を期待されたが３敗目を喫した霧馬山。これから横綱、大関陣と対戦して存在感は見せるかもしれないが、既に優勝戦線から後退して期待に添えなかった三役力士。
混戦の優勝争いは
既に１敗はしているが、優勝は玉鷲。相撲に迷いがなく鋭い立ち合いから強烈な突き押しで前に出る。全勝の力士はいるが、まだ上位との対戦が全くないだけに、こちらが有利。残り全部勝つのは難しいかもしれないが、１２勝３敗のラインなら一番可能性がある。相手は全勝の北勝富士。玉鷲同様の押し相撲だけに波に乗っている今は負ける気がしない。ただ、番付が下がっている関係でこれから上位との対戦が組まれる。どこまで連勝が続くかが本人の初優勝と、今場所の賜杯争いの行方に関わってくる。
平幕の２人に走られた上位だが、３敗以内の力士にはまだチャンスがありそう。事によっては１１勝まで優勝ラインが下がる可能性もあり、照ノ富士、貴景勝にも可能性は残されているが、体調が万全ではないだけに苦しい戦いになる。５連勝と乗ってきた若隆景も忘れられないが、これから上位戦が組まれるだけに厳しいか。それなら、同じ３敗の霧馬山。更には、昨日惜しい星を落としたが元大関の高安が怖い存在になりそう。北勝富士、玉鷲に加えたこの５人の争いになる。
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