ついに、山縣亮太が10秒の壁を破った。6月6日鳥取市のヤマタスポーツパーク陸上競技場で行われた『布施スプリント』の100m決勝で日本新記録となる9秒95をマーク。実力ナンバーワンと言われながら気象条件に恵まれなかったり、怪我に悩まされて次々と後輩に9秒台突破の先を越されたが、ついに最速の男を証明した。
これで、東京オリンピックの標準記録10秒05を突破したのは、同レースで10秒01をマークした多田修平に、既に突破しているサニブラウン・ハキーム、小池祐貴、桐生祥秀を含めて5人。今月下旬の日本選手権で上位3名に与えられるオリンピック代表争いは混沌としてきた。
山縣亮太復活への第一歩となった織田記念については、こちらを読んで下さい⤵️⤵️
山縣亮太9秒台への歩み(1)
山縣亮太という名前が広く知れ渡ったのは2012年ロンドンオリンピック。予選で10秒07の自己記録を更新して、ただ一人準決勝進出。慶應大学3年の2013年には日本選手権を初制覇。在学中は世界選手権大会代表などに出場するが、自己記録更新成らず。
2015年、大学卒業と同時にセイコーホールディングスに入社。しかし、この年は大学在学中から悩まされた腰痛に苦しみ活躍出来ずに終わる。これまで向かい風などで条件に恵まれなかったが、2016年6月『布施スプリント』で10秒06の自己記録更新。
更に、8月のリオデジャネイロオリンピック準決勝で、10秒05の自己ベストをマークするが、惜しくも決勝進出を逃した。帰国後の9月の全日本実業団で、今シーズン3度目の自己記録更新となる10秒03をマーク。日本人最初の9秒台の期待が大きくなった。
2017年は、右足首の違和感や右太ももの故障で国内の大会はほとんど参戦出来ずに、世界陸上ロンドン大会出場を逃した。ただ、9月の全日本実業団で、10秒00をマーク。しかし、その直前桐生祥秀に9秒98と9秒台先着を許してしまう。
山縣亮太9秒台への歩み(2)
前年、桐生に9秒台の先を越された2018年。織田記念、ゴールデングランプリ大阪、布施スプリント。更には日本選手権と全ての大会で日本人最先着。8月のジャカルタアジア大会で自身2度目の10秒00。一度も日本人に先着を許さず『日本最強』を証明。
あとは9秒台を出すだけと迎えた2019年。山縣に試練が訪れる。肺気胸を患い日本選手権を欠場。更に、冬場のトレーニング中に足首の靭帯を痛める。オリンピックシーズンの2020年も右膝の故障で2年連続の日本選手権欠場。
その間に、サニブラウン・ハキームや小池祐貴にも9秒台の先を越されてしまう。オリンピックは1年延期になったものの、日本最強の男はいつしか忘れられた存在になり、標準記録にも手が届かない。
そして迎えた2021年。今まで専属コーチを付けずに一人で戦ってきた山縣が高野大樹氏にコーチを依頼。二人三脚で今大会ついに9秒台と共に日本新記録。『日本最強』『日本最速』と二つの称号を得た男は、オリンピック代表を勝ち取りに日本選手権へ向かう。
日本選手権100mの展望
東京オリンピック男子100m代表は3枠。代表選考基準は第105回日本選手権で3位入賞以上の成績を収め、同大会終了時点までに、参加標準記録10秒05を満たした選手。標準記録に満たない選手でも、同大会で記録して3位入賞すれば代表に成り得る。
ただ、日本選手権での勝負に徹する事が出来る標準記録達成者が有利なのは否めない。現時点での達成者は以下の5名。山縣亮太(9秒95)サニブラウン・ハキーム(9秒97)小池祐貴(9秒98)桐生祥秀(10秒01)多田修平(10秒01)
ずばり、代表の最右翼は山縣亮太。最強にして最速の男が怪我から完全復活。今季も5月以後は負け知らずの安定した走りで本命。2番手にはサニブラウン・ハキーム。今季まだタイムは出ていないがポテンシャルは一番ともいえる。
あとは混戦だが、布施スプリントでもいい走りを見せた桐生祥秀。続いて前半の走りが抜群の多田修平。最近低調だが、実力のある小池祐貴とケンブリッジ飛鳥が続く。日本選手権で3位入賞して標準記録さえ出せれば逆転可能なので、ハイレベルな戦いを期待。
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