いよいよ、2020年東京オリンピック開催。各競技で代表選考が本格化して、次々に代表が決定している。
IOCのごり押しで直前になって東京から札幌にコースが変更になったマラソンも、男女残り1枚の切符を巡って激しい選考争いが繰り広げられる。
男女共に対象となる3大会の内、残りは2大会。1月から3月の2ヶ月間に4大会が次々に行われるが、設定記録を上回って代表を獲得する選手が現れるのか……。
東京オリンピックマラソン代表枠は男女共に3。その内2名は昨年9月に行われたMGC=(マラソングランドチャンピオンシップ)の上位、男子は中村匠吾(富士通)、服部勇馬(トヨタ自動車)。女子は前田穂南(天満屋)、鈴木亜由子(日本郵政グループ)に決定。
残り1枚の切符は男子2時間5分49秒、女子2時間22分22秒の設定記録を上回った上に最速のタイムをマークした選手に与えられる。率直に言って、MGCは東京オリンピック開催期間と同じ真夏に行われた暑さに強い選手の選考。
対して、残り1枚を争う『マラソングランドチャンピオンシップファイナルチャレンジ』は、設定記録を上回るスピードを争うレース。その設定記録は男子は日本最高タイムを上回る記録。女子も現役選手では2人しか突破していない記録。
なかなかハードルの高い設定記録だが、ここにきて心強い味方が現れた。正月の『全日本実業団対抗駅伝競走大会』『東京箱根間往復大学駅伝競走』で区間新記録を量産したナイキの厚底シューズ『ナイキ ズームX ヴェイバー ネクスト%』
このシューズのおかげでハードルの高い設定記録を上回る可能性が高まってきた。なお、設定記録を上回る選手がいなかった場合は、男女共にMGC3位の大迫傑(Nike)、小原怜(天満屋)に決定する。
● 男子選考争いの行方は?
男女共にハイレベルの設定記録になっているが、とりわけ男子の場合は日本最高記録を上回るタイムが要求される。
『MGCファイナルチャレンジ』の3大会
福岡国際マラソン(既に終了)
東京マラソン(3月1日)
びわ湖毎日マラソン(3月8日)
設定記録 2時間5分49秒
大迫傑 2時間5分50秒
設楽悠太 2時間6分11秒
井上大仁 2時間6分54秒
有力とされる3選手の自己ベストを上回る記録に設定されている。
コース的には好記録が出やすい東京マラソンが有力。特に、2018年に東京マラソンで当時の日本最高記録を更新した設楽悠太は、MGCでスタートから積極的に飛び出して日本最高記録を超えるペースで独走。暑さのせいで後半失速して14位に終わったが、冬場の東京マラソンなら極端に気温が上昇しなければ、ハイペースのまま逃げ切り、設定記録を上回る可能性がある。
● 女子選考争いの行方は?
『MGCファイナルチャレンジ』の3大会
さいたま国際女子マラソン(既に終了)
大阪国際女子マラソン(1月26日)
名古屋ウィメンズマラソン(3月8日)
設定記録 2時間22分22秒
安藤友香 2時間21分36秒
福士加代子 2時間22分17秒
松田瑞生 2時間22分23秒
前田彩里 2時間22分48秒
女子の場合は安藤友佳、福士加代子のワコール勢が共に設定記録を上回る持ちタイムがあり、設定記録をクリアーする可能性が高くなるが、気象条件が鍵を握りそうで大阪国際女子マラソン、名古屋ウィメンズマラソンのどちらを選ぶかも大事な要素になりそう。
1月26日の大阪国際女子マラソンには、有力候補選手の松田瑞生、福士加代子、小原怜の3選手がエントリーしており、その結果が注目される。
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