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広島どん底から這い上がり、開幕2ヶ月で早くも単独首位!

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● どん底の4月

4月低迷していた広島が5月に入って目が覚めたように蘇って今季初めての単独首位に躍り出た。やることなすこと裏目に出て借金8で最下位に沈んでいた頃には、もう4連覇は無理とマスコミに叩かれていたが、5月になってさすが広島というような試合巧者ぶりを発揮してきた。

開幕戦でエース大瀬良大地が圧巻のピッチングで、フリーエージェントで移籍した丸佳浩を4三振に斬って捨て快勝した時は、今年も巨人を寄せ付けずに強さを発揮するのかなと見ていたが、後の2試合を落として負け越すと月が変わって歯車が狂いだし、投手陣が踏ん張っても打線が応えられずに接戦を落として負け続けるゲーム展開。

緒方孝市監督も4番鈴木誠也以外は連日のように打順を変えて浮上のきっかけを掴もうと試行錯誤して、ついにタナキクコンビを解消するまで追い詰められる。菊池涼介は2番打者としてまずまずの成績は残していたが、肝腎の一番打者田中広輔が一向にバッティングの調子が上がらず、打率は1割台、出塁率も2割半ばに届くか届かない数字。これでは長打力は鈴木一人に頼らざるを得ないチームの得点力向上は期待出来ない。

また、主砲鈴木の後を打つ松山竜平の不振も誤算。昨年のような勝負強さが影を潜め、田中と同様に1割台の打率で先発から外されてしまった。更に、丸の代わりに巨人から移籍してきた長野久義も一時はクリーンアップを打って勝利に貢献したが長続きせず、スタメンを外れてしまう。

 

一方、投手では開幕戦でエースの存在感を見せ付けた大瀬良がその後勝ち星に恵まれず、飛躍を期待された大瀬良と同期の九里亜蓮も白星が遠く、ただ一人床田寛樹の孤軍奮闘が続いた。更に、守護神•中崎翔太にもここ数年の疲れからかいつものような安定感に欠ける投球が見られ、投打共に首位を走る巨人との力の差、層の薄さが感じられ低迷が長引いた。

● 復活の5月

史上初めての10連休に突入して平成から令和に時代が変わった刹那、これまで我慢していた緒方監督がついに大鉈を振るった。タナキクコンビを解消し野間峻祥を一番打者として指名、ノマキクコンビに衣替え。また、鈴木の後ろを打つ得点源となる5番から松山を外す。試行錯誤の結果、現在は1番野間、2番田中、3番バティスタ、4番鈴木、5番西川龍馬と固定されつつある。

これを機に広島の快進撃が始まる。4月16日4勝12敗と最大8あった借金が翌17日巨人戦からの8連勝で五分に戻したのもつかの間、28日からの3連敗で再び借金生活に入っていたが、この打線の衣替えと同時にチームは反撃の狼煙を上げる。

5月は13勝3敗1分けと、これまでの不調が嘘のように勝ち出して、特に5月11日のDeNA戦からは怒濤の8連勝。しかも、昨日の中日戦こそ中崎の不安定なピッチングで最後にハラハラしたものの、それ以前の7試合は全て圧勝、快勝の連続で昨日ゲームが中止になった巨人を尻目についに今季初の単独首位になった。

この間、4番鈴木は本領を発揮して打ち続け現在セ・リーグ三冠王。投手陣も4月を一人で引っ張ってきた床田は勢いを失ったものの、ジョンソンとアドゥワ誠が勝ち出して大瀬良、野村祐輔にも安定感が出て来た。まだ、抑えの中崎に若干不安は残るものの投打共に広島らしさが随所に見られるようになった。

こうなったら広島は強い。当分の間巨人との首位争いが続くだろうが、一つ気になるのは選手層。もしも、鈴木に故障が発生したら代わりの4番打者に苦しむのは目に見えている上、今のレギュラーの誰一人欠けても相当な戦力ダウンを強いられる事は否めない。

一方の巨人は圧倒的な選手層の厚さを誇り、誰かが故障したとしても代わりはいくらでもいる。この選手層の差はこれから夏場になった時に気にはなるが、巨人も投手陣に不安はあるので、まだ5月の段階ではあるが広島4連覇の可能性が見えてきた事は間違いないだろう。

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