第105回全国高校野球選手権大会もいよいよ大詰め。ベスト4は仙台育英、神村学園、慶応、土浦日大の4校。大方の予想で本命の仙台育英は順当に勝ち上がってきた。
しかし、他の3校は必ずしも高評価を得ていたとは言えない。一発勝負のトーナメント戦だから、ある程度の番狂わせは致し方ないが、そこを順当に勝ち進む仙台育英に底知れぬ強さを感じる。
8月21日の準決勝を経て全国制覇を成し遂げるのはどのチームか。4校のこれまでの戦いから決勝進出、そして優勝校を占ってみたい。
仙台育英-神村学園
仙台育英のこれまでの戦い振りは高校生の中に大学生か社会人のチームが混じっているような、頭一つも二つも抜けている感じ。とにかく、安定した投手陣で相手に主導権を渡した試合は皆無。
この試合も磐石な投手力を発揮して相手打線に付け入る隙を与えず、攻撃に専念出来る強力打線が爆発して快勝か。ここまで思っていた以上に失点は多いが、それをカバー出来る打力もあり、ここ数年の全出場チームで最強の布陣と言っても過言ではあるまい。
一方の神村学園。思っていた以上の好チームで安定した試合運びを重ねてきた。1番今岡歩夢、3番秋元悠太、4番正林輝大の打棒で引っ張り、松永優斗、黒木陽琉の安定したピッチングで抑える必勝パターンが出来つつある。
また、神村学園は4試合1エラーと守備の堅さが自慢。随所に好プレーが見られ投手陣を助けている。絶対王者仙台育英の壁は厚いが、先取点を取り、堅い投手陣と好守備で相手を慌てさせる事が出来るか否かに掛かっている。
慶応-土浦日大
全国一の激戦区神奈川を勝ち上がってきた慶応。ずば抜けた選手はいないが1番丸田湊斗が出てグリーンアップの渡辺千之亮、加藤右悟、延末藍太できっちり返す試合運びで堅実に勝ち上がってきた。
投げては2年生エースの小宅雅己と鈴木佳門を中心に相手に主導権を渡さないで守り勝つパターン。また、3試合でエラー一つだけの堅守で盛り立てるバック。一丸となって隙のないセンスの良い好チームの印象。
一方の土浦日大は失礼ながら今大会ノーマークのチームだった。しかし、開幕戦の上田西戦でタイブレークの10回一挙6点で振り切って波に乗って躍進。あれよあれよと言うまに投打が噛み合ってチーム初のベスト4の快挙。
投げては藤本士生、小森勇凛、伊藤彩斗の継投で粘り強い戦い。打撃では2番太刀川幸輝、3番後藤陽人の四割打者コンビに効果のある2本塁打の5番松田陽斗を中心に猛打を奮ってきた。これまでの勢いのままに強豪相手にも怯まず、更に躍進なるか。
そして、優勝
準決勝は本日8月21日予定通りに行われ、第一試合は仙台育英が3回、6番鈴木拓斗の今大会2号2ラン等で一挙4点で勝ち越し。投げては高橋煌稀、湯田統真のWエースの継投で6-2で快勝。大本命が順当に勝ち上がって、昨年に続く連覇に王手をかけた。
第二試合は慶応がエース小宅雅己の先制打に、6回には8番大村昊澄の適時打と下位打線の活躍で有利に試合を進めた。先発のエース小宅が勢いのある土浦日大打線を7安打散発の完封勝利。明後日23日、第2回大会以来の実に107年振りの深紅の優勝旗を目指す。
共に2回目の優勝を目指す伝統校同士、仙台育英-慶応という夢のような好チーム同士の対決の決勝戦。しかし、再三申し上げてきたようにずば抜けた戦力を誇る仙台育英が絶対的に有利なのは否めない。Wエース高橋、湯田に全く切れ目のない強力打線で仙台育英の優勝は不動。
慶応に優勝のチャンスがあるとしたら一にも二にも先取点。しかも、強力投手陣からは難しいだろうが複数点が欲しいところ。一日空いたとはいえ、118球投げたエース小宅のスタミナも不安。が、先制の複数点で仙台育英の焦りを誘えば107年振りの夢が叶うかもしれない。
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