侍ジャパンがついに10年ぶりの世界一の座についた。WBSCプレミア12は11月17日東京ドームで日本━韓国の決勝戦が行われ、初回に先発の山口俊が打たれたスリーランホームランの3点のハンディを挽回して5━3で逆転勝利。
国際大会としては2009年の第2回ワールド•ベースボール•クラシック以来10年ぶりの世界一に輝いた。今大会を振り返ると共に来年の東京オリンピックへの課題と出場選手について考えてみる。
● 今大会の回顧
• 今大会の日本の成績
オープニングラウンド
11月5日 日本8━4ベネズエラ
11月6日 日本4━0プエルトリコ
11月7日 日本8━1チャイニーズタイペイ
スーパーラウンド
11月11日 日本3━2オーストラリア
11月12日 アメリカ4━3日本
11月13日 日本3━1メキシコ
11月16日 日本10━8韓国
決勝戦
11月17日 日本5━3韓国
今大会は何といっても、4番を務めた鈴木誠也の勝負強いバッティングがチームを引っ張った。ここぞという時に必ずといって良いほどホームラン、タイムリーを放ってチームの危機を救い、勢いづけてくれた。
正直言って、今大会の打撃陣を見て長打力が足りないのではと不安に思っていた。鈴木にしても広島では不動の4番打者といっても侍ジャパンでは5、6番辺りが適任。4番には圧倒的破壊力の柳田悠希(ソフトバンク)、筒香嘉智(DeNA)の左打者が最適と思っていた。しかし、これまでの4番打者の『ランナーを返すのが仕事』というイメージから『決める、つなぐ、(チャンスを)作る』というマルチな4番打者像という新しいスタイルを見せてくれた文句なしのMVP。
その他の野手では何度も勝負強いバッティングを見せた浅村栄斗、不振から脱出してスーパーラウンドで活躍した坂本勇人、山田哲人。また、1点が欲しい場面で驚異のスピードで塁間を駆け抜けた足のスペシャリスト周東佑京も世界の注目を集めた。
投手陣では2試合を1失点と安心して見ていられた今永昇太。そして、何より今大会は救援陣のほぼパーフェクトな投球が光った。特に、終盤の3回を安心して任せられる甲斐野央、山本由伸、山崎康晃のパーフェクトリレーは正に『勝利の方程式』そのもの。
● 東京オリンピックへの課題と展望
今大会は28選手で行われたが、東京オリンピックでは24人の登録になる。アメリカ等、それを見越してほぼ固定したメンバー優先で戦っていた国も見られたが、日本は『全選手一丸』をモットーに全ての選手に経験を積ませながら戦ってきた。
しかし、この4人減は日本みたいに『つなぐ野球』には戦略の幅を狭めてしまう可能性があり、不利な材料になりそうだ。特に、今大会好調だった豊富な中継ぎ陣や、守備•走塁のスペシャリストを選ぶ余裕が無くなる可能性がある。
そこは、稲葉監督やコーチの首脳陣が新しい戦い方のスタイルを模索していく事になるが残された時間も機会も少ない。
最後に、今大会に出場した選手と怪我や故障、その他の事情で選ばれなかった選手も含めて東京オリンピック出場の可能性がある選手を私の独断で予想してみる。
○=有力▲=可能性あり△=微妙
投手
△11 岸孝之
△13 山岡泰輔
△17 大竹寛
△18 山口俊
○19 山崎康晃
○20 甲斐野央
○21 今永昇太
△22 大野雄大
▲28 高橋礼
○43 山本由伸
△47 中川皓太
△57 嘉弥真新也
△90 田口麗斗
捕手
▲10 小林誠司
○27 會澤翼
○62 甲斐拓也
内野手
○1 山田哲人
△2 源田壮亮
○3 浅村栄斗
△4 菊池涼介
○5 外崎修汰
○6 坂本勇人
△7 松田宣浩
外野手
△8 近藤健介
▲ 丸佳浩
▲23 周東佑京
▲34 吉田正尚
○51 鈴木誠也
今大会選出されなかった選手
○菅野智之投手
○千賀滉大投手
▲則本昂大投手
△有原航平投手
○松井裕樹投手
▲森唯人投手
○森友哉捕手
▲山川穂高内野手
△中田翔内野手
▲岡本和真内野手
▲村上宗隆内野手
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