ペナントレースがいよいよ開幕。お祭り騒ぎのWBCより私にとっては待ちに待ったシーズンの始まり。トーナメント戦で争われるWBCや高校野球は、基本的に一度だけの対戦で勝敗が決まる。その一瞬にかける集中力は観ていて興奮を誘う。しかし、運に左右されるのも否めない。
一方、半年間で争われるペナントレースは言い訳なしの実力が表れる。長丁場の場面にはトーナメント戦と違って緊張感に欠ける場面もあるだろう。しかし、その中で勝敗を分ける一瞬のドラマが必ずある。そういったものの積み重ねで、チームが一つになって優勝へ導かれて行くのだろう。
開幕3試合の結果
セ・リーグ
神宮
ヤクルト 4ー0 広島
ヤクルト 1ー0 広島
ヤクルト 3ー2 広島
京セラドーム大阪
阪神 6ー3 DeNA
阪神 6ー5 DeNA
阪神 6ー2 DeNA
東京ドーム
巨人 3ー6 中日
巨人 2ー0 中日
巨人 3ー2 中日
パ・リーグ
ベルーナドーム
西武 2ー3 オリックス
西武 2ー9 オリックス
西武 4ー1 オリックス
ペイペイドーム
ソフトバンク 4ー0 ロッテ
ソフトバンク 7ー0 ロッテ
ソフトバンク 5ー3 ロッテ
エスコンフィールド北海道
日本ハム 1ー3 楽天
日本ハム 4ー3 楽天
日本ハム 1ー2 楽天
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今季気になる選手
WBC決勝が終わったのが日本時間で3月22日。日本ハムが新球場のこけら落としで他球団より1日早めて開幕したのが3月30日、他球団は31日。中7~8日あったのに日本代表の投手陣の開幕戦に名前を連ねる先発投手は皆無。それどころか、4月1、2日も登板していないのは何故か。打者はもちろん、中継ぎ、抑えは普通にマウンドに上がっている。帰国後の調整が難しいのは分かるが余りにもひ弱ではないだろうか。最も大事な開幕シリーズにエースが参戦出来ないのではWBCの開催時期を再考する必要があるのでは……。という事で、日本代表の先発投手陣に注目したい。
打者で気になるのは史上最年少三冠王の村上宗隆。WBC準決勝でのサヨナラ打は印象深いが、調子は最悪で途中4番をレッドソックスの吉田正尚に奪われるという屈辱を味わった。開幕戦でいきなり勝負を決める2ランを放ったが、3試合で11打数3安打。三冠王はフロックでは獲れないが、一層マークが厳しくなる今年、どんな成績を残せるか注目。もう一人の打者は現役最多2205安打を放っている巨人坂本勇人。昨年、新入団の2007年以外では初めての100安打を下回る87で終了。巻き返しが期待された今年はオープン戦から絶不調。22打席連続無安打を含む36打数4安打の.111という不振。開幕シリーズは6番で出場も10打数無安打。いい当たりもあったが結果に結び付いていない。今後の成績次第では先発から外れる可能性もあり得るか……。
ズバリ優勝争いは
3試合だけで判断する事は出来ないが、昨年の阪神のように出遅れが響くケースが往々にしてある。ただ、今年は有力と言われるチームがほぼ順当なスタートを切った。その中でもセ・リーグの本命は3連覇を目指すヤクルト。開幕カードは広島のエース大瀬良大地を相手に初回三冠王村上宗隆の一発で先制。エース小川泰弘が7回3安打0封と理想的な流れ。その後の2戦は1点差を勝ち切る勝負強さを発揮。先発のピーターズ、吉村貢司郎が勝ちに繋がる好投。その他、昨年活躍したサイスニード、原樹理、高橋奎二、更に故障からの復活が待たれる新エース奧川恭伸など万全な布陣。村上宗隆を中心とした自慢の打線が活発化すれば3連覇の可能性は極めて高い。
ヤクルトの連覇を阻むとすれば、昨年の開幕からの悪夢の連敗地獄とは対照的に3連勝スタートの阪神。2年連続13勝の大黒柱青柳晃洋でものにすると、2戦3戦はご自慢の中継ぎ、抑えの活躍で連勝。打線は上位6人が全て3割以上をマーク。これで新外人ノイジー、大山悠輔、佐藤輝明のクリーンアップに一発が出れば、ヤクルトにとっては脅威の存在になりそう。三番手には巨人。菅野智之を故障で欠く先発投手の中、戸郷翔征だけでは不安しかない布陣。そんな状況でグリフィン、赤星優志の開幕カードでの好投は光明となるか。打線は中田翔一人の奮起で開幕カード勝ち越した感が強く、おしなべて低調。特に主軸として期待される坂本勇人と丸佳浩の奮起がなければ上位争いは厳しい。
パ・リーグも3年連続優勝を狙うオリックスがいるが、本命は3年振りの王座奪回を目論むソフトバンク。大エース千賀滉大のメジャー移籍で心配された先発投手は4年目左腕大関友久が開幕戦を7回2安打無失点の快投。更に、藤井皓哉、東浜巨と続き不安を感じさせないスタート。更に石川柊太、メジャーから復帰の有原航平、ベテラン和田毅、武田翔太などの実績組が控え心配はなさそう。中継ぎ、抑えも充実して磐石といえる。打線は柳田悠岐の前に俊足の周東佑京、そして日本ハムから移籍の天才的な打撃が売りの近藤健介の加入が大きい。パ・リーグの覇者として君臨してきたソフトバンク。優勝経験者が揃い、2年間の屈辱をバネにペナント奪回にかける。
対抗するのはやはり3連覇を狙う昨年日本一に輝いたオリックス。WBCで主力投手を欠きながら、開幕戦のマウンドに立った弱冠二十歳の山下舜平大の好投を生かして勝利すると、優勝争いのライバルとみられる西武相手に2勝1敗の勝ち越し。2節目からは2年連続主要タイトル独占のパ・リーグのエース山本由伸と宮城大弥が登場。中継ぎ、抑え陣営も充実していて投手に関しては日本一の陣容。問題は元々爆発力に欠ける打線から抜けた吉田正尚の穴を西武からFA加入の森友哉が埋められるかの一点。三番手は開幕戦でオリックスとしのぎを削った西武。開幕戦好投の高橋光成、今年から先発に回った平良海馬、新外国人エンスに今井達也はいるがオリックスと比較すると一枚も二枚も足りない先発の布陣。これを山川穂高を中心とする打線で助けられるかが優勝争いの鍵。山川の前を打つ外崎修汰、新外国人マキノンらが塁上を賑わせられるかが課題。FA移籍の森友哉とWBCで怪我の源田壮亮の離脱を埋められるか否かが焦点になる。
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