台湾リーグ・ラミゴからポスティングシステムで日本ハムに入団した「台湾の大王」、王柏融(ワン・ポーロン)が対外試合で存在感を示して注目されている。
王は1993年9月9日台湾生まれの25歳。
穀保高級家事商業職業学校(高校)から台湾の中国文化大学に進んだ。
高校時代は145キロ超の速球で投手も務める二刀流だったが、打撃の方がより上手いとチーム関係者に言われて野手に専念するようになったという。
2015年ドラフト1位で台湾リーグ・ラミゴに指名されて入団。
16年、リーグ初の200安打、最高打率の4割1分4厘、29本塁打、105打点、24盗塁、MVP等6冠に輝いた。
17年にも三冠王の他に2年連続4割、MVP等数々の大記録を残した。
18年シーズンオフに海外へのポスティングシステムを申請して日本ハムが交渉権を獲得して入団。
初めての日本のキャンプに参加して、これまで対外試合8試合連続安打。18打数11安打1本塁打、打率.611と大暴れしている。
アメリカ・アリゾナキャンプ中には初めての対外試合、韓国・NCとの練習試合で右中間の二塁打を放ち、視察していたダイヤモンドバックスのスカウトから、「パワーがあって力強い。将来メジャーで通用する選手になるかも。これからも注目していきたい」とのお墨付きを得ている。
本人も機会があったらやってみたいと乗り気で、日米の球界から注目される事になった。
先週から始まったオープン戦。2月24日の巨人戦にも4番レフトで出場。3回に田口麗斗からオープン戦初安打となる右前適時打を記録。
左打者の王だが左腕の田口も苦にしなかった。
現在、昨シーズンまで不動の4番打者・中田翔はまだ登場していないが、中田もうかうかしていられない4番争いが勃発する可能性もある。
巨人戦について、「詰まったけど打ち方がいい。しっかり結果を出してくれている」と、栗山監督も信頼している。
ただ、問題になりそうなのは外野守備。一応、台湾では守備の名手との評価は得ているが、「台湾と日本のレベルの差がある。守備と送球面に課題がある」と、台湾の野球関係者は言う。
更に、同じ台湾から日本ハムに入団して現在は巨人に在籍している陽岱鋼と比べて、「守備では陽岱鋼とは大きな差がある」とも言う。
しかし、守備はともかくとして打撃に関しては日本と台湾のレベル差があるにしても、2年連続4割は並の打者では出来る事ではない。
今シーズンは台湾の大王から目が離せなくなりそうな予感がする。