● 投打噛み合わず出口見えない
ヤクルトの連敗が止まらない。5月14日広島戦で4ー9で敗れたのを皮切りに、その2連戦を落とすとDeNA、阪神、中日の各3連戦を負け続け、昨夜連敗の入口になった広島相手に1点及ばず屈辱の12連敗を喫してしまった。この連敗が始まる前は21勝16敗と首位争いをしていたのに、現在最下位のDeNAに1ゲーム差に迫られ、最下位陥落のピンチ。
今年は連敗するチームが多いと思っていたが、二桁連敗は4月16日中日戦から28日巨人戦まで続いたDeNAの10連敗があるだけ。早い時期の二桁連敗を喫したチームが大きく順位を下げるのは至極当然の事で、ヤクルトが5位、DeNAが6位とセリーグの最下位争いに沈んでいる。
ヤクルトの12連敗を分析してみると、12戦中実に8試合が失点6以上という投壊状態になっている。打線は青木宣親、山田哲人、バレンティンという主力打者が揃わない時もあったが、それなりに得点を上げているがとにかく投手が悪過ぎる。
● 12連敗の主因は投手陣の崩壊
5月29日現在、セ・リーグの規定投球回数に到達しているピッチャーはたったの11人と少ないが、その内10位小川泰弘(防御率4.68)11位原樹里(防御率5.07)と、本来ヤクルト投手陣を引っ張っていかなければならない二人が下位を占めている。
先発ローテーションは小川、原、石川雅規、高梨裕稔、ブキャナン、スアレスあたりで回しているが、先発の柱となるべき小川が1勝6敗、原が2勝5敗と大きく負け越している状態。わずかに、防御率は悪いが高梨が4勝4敗と勝ち星に恵まれているだけ。中継ぎの五十嵐亮太が5勝とチームの勝ち頭なのだから、先発陣の不甲斐なさが一目瞭然であろう。
また、中継ぎは五十嵐を始めそれなりに奮闘しているが、ヤクルトの12連敗中の失点をみると先発陣が1回、2回は何とか最少失点に抑えていても、二回り目から三回り目に入る3回から5回に大量点を取られている。それを打線の奮起で盛り返しても7回、8回、9回で失点を繰り返して突き放されるというパターンが目に付く。昨年35セーブを挙げて本来守護神となるべきはずの石山泰稚が今シーズンも4月で7セーブと、その役割を果たしていたが5月4日の中日戦を最後にマウンドに上がれないのが大誤算。
● 踏ん張っている打撃陣に光明
崩壊状態の投手陣に対して何とか奮起して試合を作っているのは打撃陣。セ・リーグの打率部門4位に3割2分2厘で37歳の青木が頑張っている上、14位に2割9分4厘の山田、19位に2割8分1厘のバレンティン。
本塁打も山田とバレンティンが12本放って並んでいる上に、19歳の村上宗隆がその上を行く13本と気を吐いている。打点は村上が広島の主砲鈴木誠也と並ぶ38打点でトップ。更に、バレンティン34打点、山田32打点、雄平30打点と4人も30打点を叩き出しているのはヤクルトだけ。高い得点能力を示している。
更に、この12連敗中も91安打、43得点、14本塁打と連敗中のチームとは思えない攻撃力は示している。が、その反面137被安打、81失点、16被本塁打とことごとく投手陣の崩壊状態がデータに現れている。特に、得点の2倍に匹敵する81失点は致命的な数字だ。
これから首位広島戦が2試合の後、今のヤクルトと同様に4月16日から28日まで10連敗と苦しみ、ようやく浮上のきっかけを掴みつつあるDeNAと続き、その後は交流戦に入る。その前に連敗脱出は喫緊の課題。
その課題克服には、青木、山田、バレンティン、村上、雄平と続くリーグ屈指の強力打線が早い回に1点でも多く得点して、投手陣がリラックスして投げられるように打ちまくるしかない。ヤクルト打線の爆発力に期待する。
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