競馬界で武と共に2大ブランドといえる福永。伝説の名騎手福永洋一を父に持ち、自らも騎手として名を残した福永祐一
騎手として全盛を誇りながらファンに惜しまれつつ引退して、今年調教師としてデビュー
4月7日、福島競馬場で調教師としての初勝利を挙げた福永祐一調教師のリポート
競馬界の名家・福永
レジェンド武豊騎手が、名手として知られた父武邦彦元騎手・元調教師。更に実弟で元騎手、現調教師の武幸四郎の競馬一家として有名なのは競馬ファンなら知らぬ者はいないはず。
そして、福永家も勝るとも劣らない競馬一家なのも有名。父は天才として名高い福永洋一元騎手。不幸にも落馬負傷で若くしてターフを去ったが、今でもオールドファンに語り継がれる程の名手という。
更に、伯父に元騎手・調教師の福永甲や大井競馬場の元騎手・調教師福永二三雄という面々。競馬界では親子二代三代にわたる家系も珍しくはないが、関西の名家といえば福永、武が真っ先に挙げられる程のブランド。
騎手時代の福永祐一
幼少の頃は騎手になる気持ちはなかったと本人が語り、中学まではサッカーに熱中。しかし、武豊の活躍に刺激を受け、父の落馬事故で猛反対の母を説得。双子や女性騎手などで話題の『花の12期生』として競馬学校へ入学。
1996年、北橋修二厩舎でデビューすると史上2人目の初騎乗からの2連勝。その年53勝でJRA最多勝利新人騎手を獲得。翌年、重賞初勝利、3年目にダービー初騎乗。翌1999年プリモディーネでG1初勝利となる桜花賞制覇。
その後も順調に勝ち星を挙げて、トップジョッキーの仲間入り。しかし、武豊全盛期で念願の全国リーディングジョッキーを獲得したのは2011年、デビュー16年目。
その後、外国人騎手に門戸が開かれる中でも活躍したが、最も欲しい日本ダービー勝利は2018年のワグネリアン。実に19回目での制覇。更に三冠馬コントレイル、シャフリヤールでの連覇など、【ダービー請負人】と言われる名手に。
調教師としての福永
念願のダービーを獲得した辺りから円熟期を迎え、勝負強さに磨きがかかり頼もしさを増した福永。調教師への転身を考えていた2021年、香港スプリントの落馬を機に、翌年の調教師試験に合格。2023年3月1日調教師免許交付。
一年間の技術調教師を経て、2024年3月厩舎開業。デビュー戦は3月9日コーラルS、鞍上は目標としてきた武豊。惜しくもハナ差2着で騎手時と同様のデビュー戦勝利はならなかった。しかし、複勝率抜群の成績を収めてきた。
待ちに待った初勝利は4月7日福島競馬場8レース。小沢大仁騎乗のエーデルブルーメ。更に阪神10レースで兄貴分として慕われる川田将雅も勝利。15戦2勝、2着以内の連対率40%、3着以内の複勝率60%という好成績。
騎手時代から馬をみる目には定評があり、競り市などにも出掛ける程の馬通。輝かしい騎手時代以上の名調教師として期待される福永師。自ら育て上げた馬で騎手に次いで、調教師としてもダービー制覇を成し遂げるのを見たいものだ。