3月場所は『荒れる春場所』と有名ですが、まさか5月病ではあるまいに、あれよあれよという間に上位陣5人全滅とは
横綱照ノ富士の故障で、最近は圧倒的な強さを見せる力士がいなくなって下克上当たり前のムードが漂っている
しかし、いくらなんでも初日から横綱、大関の5人全員に土がつくなんて思いもよりませんでした
今回は初日の上位5人の相撲を振り返ると共に、またまた荒れそうな夏場所の行方を占ってみます
上位陣あれよあれよの全滅
まずトップバッターとして登場したのは西張出大関霧島。先場所は首の痛みで、頭から当たってから巧みな前さばきで先手を取る相撲が出来ずに、5勝10敗の負け越し。豪ノ山に当たり負けて一方的に土俵外。勝ち越しに不安なスタート。
二番手は同じく首の痛みで低迷が続く東張出大関貴景勝。平戸海に頭から当たっているが本来の当たりではなく、回しを取る相撲も出来る相手に逆に当たり負け。一気に押し出される不甲斐ない相撲。せいぜい勝ち越せば上出来か。
祖父の四股名を名乗って注目の西大関琴櫻。最近自信を持っている大栄翔と突き押しの末に土俵を割る。押し負けてはいなかったが、場所前から気になっていた脚のせいか、踏ん張り切れなかった。故障さえなければ巻き返し可能とみる。
立ち合いは互角だった東大関豊昇龍。ただ、体の大きい熱海富士にいきなり左上手を許したのでは不利。相手の上手を切れずに終始攻められ、得意の投げ技も封じられ完敗。軽量なだけに大型力士に対する取り方に工夫が必要。
初日から難敵相手となった横綱照ノ富士。立ち合いから新進気鋭の大の里にもろ差しを許す苦しい体勢。馬力のある相手に土俵際の小手投げも通じず初日から土。腰、膝、に加えて左脇腹も痛め、満身創痍の体で苦しい場所になりそう。
予想不可能の夏場所の展望
初日から横綱・大関が総崩れと異例なスタートになった大相撲夏場所。しかも、若元春、阿炎の両関脇も敗れ、小結朝乃山の休場で、三役以上の白星スタートは大の里一人。予測不可能な今場所の優勝争いを占ってみる。
まず初日の相撲振りから、大関貴景勝と霧島は優勝争いの予想からは消し。照ノ富士は2日目も難敵の大栄翔戦が割り当てられ苦しい戦いになりそう。ただ、今日を白星で乗り切れて、故障再発さえなければ実績から優勝争いに加われる。(照ノ富士、貴景勝は2日目から休場)
豊昇龍は阿炎との対戦。過去は10―3とリードしているが、何をしてくるか分からない相手だけに要注意。琴櫻は熱海富士戦。過去3連勝だが昨日豊昇龍に勝っている相手。脚の具合は心配だが、今日勝てば優勝争いに割って入れるはず。
2日目最も注目したいのは大の里―高安戦。お互いに初日はいい相撲で勝っているだけに、連勝した方が乗っていける。連続2桁と実力十分の大器・大の里。対して悲願の優勝を目指す実績十分の高安の対戦は場所の行方を左右する一戦。
初日だけの相撲で判断は難しいが、番付順に豊昇龍、琴櫻、大の里、高安の4人の優勝争いとみる。故障を抱えている力士もいるだけに予断は許さないが、ズバリ琴櫻と大の里がややリードとみている。