ハンガリーのブダペストで行われていた世界卓球選手は全種目を終えて、日本選手は健闘してメダルを獲得したが、メダル獲得数は前回の5個から3個に減らした。
男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの5種目共に中国が優勝して力の差を実感させられた。
日本女子の宮崎監督は女子は中国との2強時代……と、語っているが、甘い認識と言わざるを得ない。
男女共に中国との力の差は大きく来年の東京オリンピックで逆転することは厳しい状況にある。
● 男子シングルス
男子シングルスは張本智和、丹羽孝希、水谷隼、吉村和弘、森薗政崇の5選手が出場して全員1回戦を勝ち上がる順調なスタートを切った。
しかし、2回戦で吉村、3回戦で水谷、森薗、更に4回戦では期待の張本までも櫛の歯が欠けたように敗退し、ベスト8に進んだのは丹羽一人。
その丹羽も準々決勝で中国の梁靖崑に熱戦の末、3ー4で惜しくも敗れて悲願のメダル獲得はならなかった。
● 女子シングルス
男子以上に充実したメンバーで、石川佳純、伊藤美誠、平野美宇、佐藤瞳、加藤美優と世界ランキング上位が揃い、前回平野が獲得した銅メダル以上が期待された。
1回戦、2回戦と全員が順調に勝ち上がリ期待を抱かせたが、3回戦で日本勢で最も好調とされていた伊藤が中国の同年齢の孫に1ー4とまさかの完敗。
更に、4回戦では石川が香港の選手にフルセットで敗れ、今大会好調でこれまで1セットも落としていなかった佐藤が中国の王に2ー4で敗れ、ベスト8には平野と加藤の二人しか進めなかった。
準々決勝では平野が中国の女王・丁寧に挑んだが1ー4で敗れ、自身の中国選手との連敗記録をストップする事は出来なかった。
また、ここまで健闘していた加藤もやはり中国の劉に1ー4で敗れ、全員が姿を消した。
結局、準決勝に進んだのは4人共中国選手で中国の強さばかりが目立った。
● 男子ダブルス
森薗政崇・大島拓哉組、張本智和・木造勇人組が出場した。前回は銀と銅メダルを獲得した得意種目だけに注目された。
1回戦は森園・大島組、張本・木造組共に突破したが、2回戦で前回のメダリスト森園・大島組がフランスペアにフルセットで敗れる波乱。
張本・木造組はデンマークペア相手にストレートの勝利を収めたが、3回戦では中国の梁靖崑・林高遠ペアに完敗してベスト8にも進めなかった。
● 女子ダブルス
女子ダブルスにはメダル期待の伊藤美誠・早田ひな組と佐藤瞳・橋本帆乃香組が出場。
1回戦、2回戦と両ペア共に勝ち進みベスト8がかかる3回戦、伊藤・早田組はチャイニーズタイペイペア、佐藤・橋本組も韓国ペアにそれぞれストレート勝ちして準々決勝へ。
ここも伊藤・早田組が韓国ペア、佐藤・橋本組がタイペアを4ー1で下してメダル確定。
そして、準決勝では日本ペア同士がぶつかって熱戦を繰り広げ、伊藤・早田組が4ー2で佐藤・橋本組に逆転勝ちして決勝へ。
決勝で立ちはだかったのはまたまた中国ペア。
最初、2セット連取して待望の金メダルと思わせたが、そこから孫・王組が中国の底力を発揮して怒濤の4セット連取と逆転。
伊藤・早田は惜しくも銀メダルに終わった。
● 混合ダブルス
混合ダブルスには森園・伊藤組と吉村・石川組が出場。
両ペア共1回戦から快調に飛ばし準々決勝に難なく駒を進める。
しかし、森園・伊藤組がドイツペアに2セット連取される苦しいスタート。何とか追い付いて2ー2のタイに戻したが最後はまた突き放されて2ー4で敗退。
一方の吉村・石川組はスロバキアペアを4ー2で退けて、メダルが確定する。
準決勝の相手は森園・伊藤組を敗ったドイツペア。4ー1で敵討ちに成功して、残るは金メダル。
しかし、ここにも立ちはだかる中国ペア。1セット取るのがやっとの完敗。
結局、今回の世界卓球選手権は女子ダブルスの伊藤・早田組が銀メダル。佐藤・橋本組が銅メダル。
混合ダブルスの吉村・石川組が銀メダル。
合計3個のメダルに終わった。
全ての種目を中国勢が制する一人勝ちに終わった。
特にシングルスで男女共にメダル無し。ランキング上位に日本選手の名前はあるが、それはランキングポイントを獲得する国際大会に出場する選手が限られているから。
実力が有りながら出場出来ない中国選手が多数いる事を考えれば、宮崎監督の言うような2強時代ではなく、相変わらず中国1強が続いている事は間違いない。
一年後の東京オリンピックで中国に並ぶのは厳しい状況と言わざるを得ない。
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