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錦織圭、全仏オープン準決勝進出成らず!クレーの鬼ナダルに完敗!

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● 2019年の錦織

昨年カムバックしてから順調にランキングを上げてきた錦織圭。その復調ぶりは今年こそは念願の四大タイトル獲得の期待を抱かせるに十分な内容だった。

それを確信させるかのように、今シーズン最初の大会となるブリスベン国際(オーストラリア/ハード)では、ATP250とはいえ幸先良く優勝を飾る。そして、迎えた最初の四大タイトル全豪オープン(オーストラリア•ハード)では長時間の試合を持ち前の勝負強さと、粘りで勝ち進んで報道陣からは「マラソンマン」のニックネームを付けられる程の注目を浴びた。

しかし、準々決勝に進出した時点でそれまでの長い試合が祟って、錦織の体は既にボロボロで天敵ノバク•ジョコビッチ(セルビア)と戦う余力は残っていなかった。1セット1ー6と簡単に取られ、2セット1ー3から第5ゲームをブレイクされた時点であえなく棄権を申し出て、結局、1ー4でまたもやジョコビッチの壁を越える事は出来なかった。

続いて2月のABNアムロ世界テニス•トーナメント(オランダ/ハード)ATP500ではベスト4にまで駒を進め、スタン•ワウリンカ(スイス)に1ー2で敗れたものの、相変わらず好調さを示していた。

しかし、そこから信じられない錦織の苦戦が続く。ドバイ•テニス選手権(UAE/ハード)ATP500で2回戦敗退。3月に入ってBNPバリバ•オープン(アメリカ/ハード)ATP10003回戦敗退、マイアミ•オープン(アメリカ•ハード)ATP10002回戦(初戦)敗退、マスターズ•シリーズ•モンテカルロ(フランス/クレー)ATP10002回戦(初戦)敗退と、信じられない不調が続く。

「錦織はこのまま終わってしまうのか」という声がファンの間からも囁かれる。しかし、続くバルセロナ•オープン(スペイン/クレー)ATP500でベスト4。ムチュア•マドリード•オープン(スペイン•クレー)ATP10003回戦進出。そして全仏オープンの前哨戦BNLイタリア国際(イタリア/クレー)ATP1000ベスト8と、何とか持ち直して今大会の全仏オープンを迎えた。

● 全仏オープン

今大会、世界ランキング7位、第7シードで迎えた錦織の1回戦。相手は地元フランスの世界ランキング151位カンタン•アリス。初対戦の上に地元選手とやりにくい相手だったが、「反省点はほとんどなかった。これまでの2ヶ月間のクレーの試合の中でも、すごく良かった」と、本人が言うようにセットカウント3ー0の試合時間2時間で快勝。

中2日置いた2回戦の相手は世界ランキング82位、やはりフランスのジョーウィルフライ•ツォンガ。左膝の手術でランキングを下げているが、最高ランキング5位の実力者で4年前の全仏オープンで敗れた相手。強烈なサーブとフォアハンドのショットが冴えて、ツォンガが第1セットを先取したが、第2セット以降錦織がサーブからの素早い展開での積極策。バックハンドの強力なショットでラリーで優位に立ち、いずれも6ー4の熱戦を3セット連取して逆転勝ち。

3回戦は正に熱戦。ラスロ•ジェレ(セルビア)は世界ランキング32位。第1セットから6ー4、6ー7、6ー3、4ー6と交互に取り合って迎えた最終セット。錦織のサービスゲームから始まったが、いきなりブレイク、キープ、ブレイクと威力あるジェレのショットとサービスに圧倒されて0ー3のピンチ。その後、錦織がギアを上げて強烈なリターンで第4ゲーム、第8ゲームのブレイクに成功して4ー4に追い付く。その後はお互いにサーブからの冷静な攻撃でキープを続けて6ー6。勝負の第13ゲームを錦織が精度が上がってきたフォアハンドで先にキープ。第14ゲームも一進一退の攻防が続いたが、最後はジェレのフォアがアウトになり4時間を超える熱戦に終止符を打った。

大会8日目の相手はまたフランスのブノワ•ペール、世界ランキング38位。今大会の錦織は不運にも地元選手との対戦が多い。しかし、快調にセットカウント2ー1とリードしたところで日没。良い流れを断たれたのか翌日再開の第4セットはタイブレークの末に失って、また長い試合に突入。最終セットも先にブレイクを許した錦織が1ー4とリードされたが、第7ゲームでブレイクして追い付き、更にお互いにブレイクする波乱の展開を最後に錦織のサービスゲームで突き放して7ー5で辛勝。

そして、ベスト8に進んだ錦織を待っていたのは全仏オープン11度優勝を誇るクレーコートの鬼ナダル。この大会では90勝2敗という信じられない成績。今大会も3回戦で1セット落としただけの楽勝続きで、試合時間は接戦を何とかものにしてきた錦織の半分。これでは、試合前からクレーコートの鬼の優位は決まっているようなもの。その通りに試合内容は一方的にナダルが押し気味に進めて3ー0の快勝。

「いつも消耗していっぱいいっぱいのところで強敵に当たってしまう」と錦織は嘆くが、それはトーナメント戦だから仕方ない。今大会に限らず錦織がノバク•ジョコビッチ等にに苦杯を舐め続けるのも、1回戦から4回戦までの中で接戦が多く、スタミナをロスしたり故障を発生したりして、強豪と当たる準々決勝以後に余力がなくなって負けてしまうのが原因。

全力で戦わなければ勝利がおぼつかないのは分かるが、これから錦織が4大タイトルを制するには如何にしてスタミナロスを抑えて勝ち切れるかが鍵になる。そのためには、ジョコビッチやナダルみたいな絶対的な強さを身に付けるしかないのかもしれないが、あと数年、残された時間は決して長くはない。錦織には一層の奮起を促したい。いつか4大タイトル制覇の夢を果たすのを期待して、これからも応援していきたい。

 

 

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