いやー、凄過ぎる。鳥肌が立つとはこの事か。
全豪オープンテニス4回戦で錦織圭が今大会3回目のフルセットの末大逆転勝利しました。
相手はP.カレノブスタ(スペイン)。今大会第23シードとはいえ、世界ランキング10位になった事もある実力者。
プレイスタイルは錦織と似たようなストロークで勝負するタイプですが、長いラリーが得意で特にフォアハンドからの強烈なショットは錦織を上回っていました。
第1セット7ー6、第2セット6ー4とラリーで錦織を上回ってカレノブスタが王手をかけました。
しかし、今大会1回戦のK.Majchrzak(ポーランド)戦で第1セット6ー3、第2セット7ー6から逆転し、2回戦でもI.カロビッチ(イタリア)とフルセットの末にタイブレークまで持ち込んで、今大会から採用された最終セット10点先取のタイブレークを7ー10で物にした錦織。
元々、タイブレークの強さには定評ありましたが、今大会は神憑っています。
今日のカレノブスタにも2セット連取された後、6ー7、4ー6と盛り返し、またまた最終セットに縺れ込みました。
その最終セットも一進一退でお互いにブレイクの応酬の末今日3度目のタイブレーク。
10点先取のタイブレークもミニブレイクの応酬になり、一時は5ー8とカレノブスタにリードを許しましたが、そこからが錦織の真骨頂。
何と、4点連取してマッチポイントを握ると最後はサービスエースで崖っぷちからの大逆転勝利をもぎ取りました。
試合時間は5時間6分と今大会最長。
現地時間で午後6時に始まった試合は午後11時を過ぎる熱戦になりましたが、途中で席を立つ人は誰一人いませんでした。
これで、今大会の錦織の試合時間は4試合で13時間47分にもなりました。
こうなるとスタミナが心配です。
しかも、次の相手は第1シードのN.ジョコビッチ(セルビア)。
錦織が最も苦手とする相手。
普通なら更に勝てる要素が無くなったと悲観的になりますが、天敵ともいえるジョコビッチに勝つにはスタミナの不安があるとはいえ、今大会の逆転に次ぐ逆転の勢いが味方するような気もします。
今までの錦織ならこの縺れに縺れた1回戦、2回戦、そして今日の4回戦全てを勝ちきる事は出来なかったでしょう。
一昨年の怪我からの挫折を乗り越えた錦織は精神面でも技術面でもスケールアップして、マイケル・チャンコーチが言うように完璧な選手に近づきつつあります。
出来うるなら万全のコンディションでジョコビッチと当たりたかったでしょうが、今の神憑り的な勢いのある錦織なら打倒ジョコビッチが実現するかもしれません。
準々決勝も最後まで目が離せません。