前回の記事で取り上げたパ・リーグのロッテが優勝候補勢を従え、依然好調を保ってトップを維持。そのロッテのようにセ・リーグで健闘しているのがDeNA。3連覇を目指すヤクルトや、厚い選手層ながら疑問符がつく采配で低迷している巨人を尻目に、2位阪神に2ゲーム差でトップ快走。
ロッテ同様に戦力的には劣る面があるので、どこまで持ちこたえるか不安な部分もあるが、ヤクルト、巨人に浮上の気配が見えないだけに侮りがたい存在になるか。ロッテに佐々木朗希がいるなら、同じようにWBCで活躍した今永昇太を擁してあっと言わせる可能性もあるか……。好調DeNAの今後を占ってみる。
DeNA現在の成績
セ・リーグ勝敗表
①DeNA 15勝 7敗
②阪神 13勝 9敗1分 2.0
③広島 11勝12敗 2.5
④巨人 11勝13敗 0.5
⑤ヤクルト 10勝13敗1分 0.5
⑥中日 8勝14敗 1.5
DeNA躍進の要因
昨年2位とはいえ、決して前評判は高くなかった横浜DeNAベイスターズ。投打共に一つ足りないと思うのは私だけだろうか。投手は先発の今永昇太、抑えの山崎康晃という二枚看板はいるが、先発では今永に次ぐ存在が皆無という印象しかなかった。今年は今のところ2連勝で防御率ゼロの今永を筆頭に、同じく2勝0敗防御率0.95の東克樹、安定している石田健大、2連勝負け知らずの平良拳太郎、安定感には欠けるが3連勝のガゼルマンと、全く良いところなしで3連敗のサウスポー濱口遥大以外は極めて順調。
しかし、実績的にも内容からみても本当に信頼出来る先発は今永のみ。これら好調の先発組ではルーキーイヤーに11勝5敗で新人王の東以外は、殆んど一年を通して実績を残した事のないは面々ばかり。順調に星を伸ばしている間はいいが、歯車が噛み合わなくなった時に耐えられるかが不安材料。ただ、抑えの山崎の他に中継ぎの上茶谷大河、入江大生らが安定しているので安心して後を任せられるのは大きい。
元々、投手力より打撃面で強さを発揮するイメージが強いDeNA。3年連続3割マークの佐野恵太、WBCにも選出された牧秀悟などがいるが最もパンチ力があるソトの長打力がこの2、3年影を潜めているのは懸念材料。また、最も頼りになるのは通算打率3割超をマークしている打撃の職人宮﨑敏郎。今年は特に好調で4月29日時点で4割5分9厘とセ・リーグ断トツの成績。が、何を考えたのか先発から外した三浦大輔監督。ちょっとした事で変わるのが打撃。打者心理も考えられないような監督では先が不安。
DeNA今後の展望
4月29日で2位阪神に2ゲーム差。3位広島は更に2.5ゲーム差と優位に立ったDeNA。しかし、まだペナントレースは始まったばかり。戦力的に侮れない巨人、3連覇を狙うヤクルトはそれぞれ更に0.5ゲーム差で続く。最下位の中日以外にはまだ巻き返しの可能性が残されている。その中で1998年以来と、両リーグで最も優勝から遠ざかっているDeNAがペナントレースを制するのは至難の業。
まずは三浦監督の采配。まだ始まったばかりなのに、体力温存の為という理由でリーグ打率トップの宮崎をスタメンから外すようなパフォーマンス采配は止めるべき。投手ではエース今永の大車輪の活躍と、実績の少ない先発組が疲れた夏場に代わりが出てくるか否かが鍵。打撃面では元々長打力に欠ける面がある中、ソトの復活が欠かせない。率直に申して優勝は厳しいと思う。ただ、ヤクルト、巨人がもたついている間に離せるだけ離し、2位以下に諦めムードを漂わせる事が出来た時に優勝が見えてくる。
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