59年振りの関西対決となった2023日本シリーズは関西を中心に大盛り上がり
その盛り上がりを象徴するように最終戦まで縺れる大熱戦の末、阪神に軍配
選手としても監督としても日本一に輝いた現役最年長監督岡田彰布のアレで明け、アレで締めた日本シリーズリポート
2023日本シリーズ成績
① オリックス0ー8阪神
勝 村上
敗 山本
② オリックス8ー0阪神
勝 宮城
敗 西勇
③ 阪神 4ー5オリックス
勝 東
敗 伊藤将
本 頓宮①
④ 阪神 4ー3オリックス
勝 岩崎
敗 ワゲスパック
⑤ 阪神 6ー2オリックス
勝 湯浅
敗 山崎颯
本 ゴンザレス①
⑥ オリックス5ー1阪神
勝 山本
敗 村上
本 ノイジー①
紅林①
頓宮②
⑦ オリックス1ー7阪神
勝 伊藤将
敗 宮城
本 ノイジー②
頓宮③
38年振りの歓喜
「まさか、この日が来るとは……」祝賀会で思わず漏らした岡田彰布監督。これは熱狂的な阪神ファンにも共通する本音ではないだろうか。
巨人ー阪神戦の度に『伝統の一戦』と紹介するアナウンサー。しかし、リーグ優勝は巨人の38回に遠く及ばない5回でリーグ5位。日本一も今回で2回目で1回の楽天より上、中日、DeNAと並ぶブービーグループ。
え、本当に……そんなに弱かったのと信じられない成績。あの甲子園球場の熱狂は何だったのと不思議に思ってしまう。逆に考えれば、それだけ優勝に見放されているからこその熱狂なのかもしれない。
38年前は掛布雅之、バース、そし岡田のクリーンアップを中心の打ち勝つ野球での日本一。対して今年の阪神はクリーンアップの迫力と実績は当時に敵うべくもない布陣。
守り勝ってリーグ優勝と日本一を手にした阪神。大竹耕太郎、伊藤将司、村上の2桁勝利トリオに西勇輝、青柳晃洋の先発組。充実した中継ぎに抑えの切り札岩崎優。12球団随一の防御率2.66の投手陣こそが日本一の原動力。
今回の日本シリーズも大量失点のゲームはあったが、肝心のところで抑えた投手力がオリックスを上回った阪神。この歓喜を忘れず豊富な投手陣と、年齢的に充実期を迎えそうな打者陣の奮起で常勝軍団になれるか、来年以降も注目したい。
2年連続は成らず
リーグ3連覇を成し遂げ、エース山本由伸を擁する強力な投手陣で2年連続日本一を狙ったオリックス。ただ、懸念は肝心の山本のクライマックスシリーズでの不甲斐ない投球内容。
実際、第1戦でも10安打7失点で6回もたずに滅多打ちのKO。勝利投手になった第6戦でも奪三振が話題になったが、前半阪神の拙攻に助けられた内容。来季メジャーに挑戦するようだが通用するのか不安を残した形。
代わって第2戦隙のない投球を見せた宮城大弥。第3戦、5戦で試合を作った東晃平、田嶋大樹の先発や、粘り強く投げた中継ぎや抑え陣。
更に、全く当てにならないと思っていた打撃面では、こちらも柱として期待された森友哉が不振。代わって頓宮裕真、紅林弘太郎、宗佑磨などが存在感を発揮。
来年、山本が抜けた穴は大きいが宮城や山崎福也、そして若手の山下舜平大らが穴埋め出来るかにリーグ4連覇が掛かる。再び盛り上がりを見せるための『関西対決』と、今年の雪辱を出来るかに注目したい。