卓球の世界選手権大会・個人戦がハンガリーのブダペストで4月21日から8日間の日程で争われる。
注目は進境著しい日本女子。その活躍を占ってみる。
女子シングルス出場選手
・石川佳純(26歳) 世界6位
・伊藤美誠(18歳) 世界7位
・平野美宇(19歳) 世界9位
・佐藤瞳(21歳) 世界13位
・加藤美優(20歳) 世界22位
女子シングルスには以上の5選手がエントリーされている。
その他に女子ダブルス、混合ダブルスに出場する選手もいるが何と言っても注目はシングルス。
まずは最近進境著しい日本女子の前回2017年大会の成績を述べておく。
・3位 平野美宇
・ベスト8 石川佳純
・4回戦進出 伊藤美誠
・4回戦進出 加藤美優
・3回戦進出 佐藤瞳
日本勢48年ぶりのメダルを獲得した平野を始め、5選手が3回戦以上進出の大活躍でした。
来年に迫った東京オリンピックに出場出来るのは来年1月のランキング上位3選手。
更に個人戦には上位2人という狭き門。
従来通りなら石川、伊藤、平野の3人でほぼ決まりと言っても過言ではなかったが、昨年から改正された世界ランキングによって、原則的には過去一年間の成績によってランキングが決まるので、これからの8ヶ月の成績如何では下位選手にもチャンスは十分。
特に、今回の世界選手権は最も高いポイントが設定されていて、優勝者は3000ポイント獲得出来るので大きなアドバンテージになる。
・平野美宇
まずは前回2017年の銅メダリスト平野。当時の平野は正に絶好調で、大会前のアジア選手権(中国)で丁寧、朱雨玲、陳夢の中国勢強豪を地元の中国で3タテにして、女子シングルス日本選手21年ぶりの優勝を果たして自信満々で世界選手権に乗り込んできた。
順調に準決勝に進み女王・丁寧に敗れたものの、日本勢48年ぶりのメダル獲得と力を見せ付けた。
しかし、その後約2年間は世界ランキング10位以内をキープしているが、スランプ気味。
2大会連続で日本選手権の優勝をライバル伊藤にさらわれる等、今一つ精彩に欠ける。
平野の武器は「巻き込みサービス」から主導権を握ってのドライブ連打で相手に付け入る隙を与えない、「ハリケーン」と呼ばれる連続攻撃。
更に、最近はそれに加えて緩急を加える等模索を続けて現状打開を図っている。
前回の世界選手権大会以降の2年間で中国選手に1勝25敗と、2年前からは信じられない戦績だが最大目標の東京オリンピックでメダル獲得するには、ハンガリーで再び旋風を吹かせて「ハリケーン」となるしかない。
・伊藤美誠
二年前が平野ハリケーンとすれば、今正に熱風と化しているのは伊藤。
全日本選手権大会で2年連続三冠を達成。
昨年は世界選手権団体戦決勝で日本選手に37連勝の劉詩雯を敗リ、唯一の白星を挙げ、11月のスウェーデンオープンで劉詩雯、丁寧、朱雨玲を連破して優勝。
2年前の平野の再現で一気に中国選手に恐れられる存在になった。
伊藤の特徴は天才肌と言われるプレイぶりと、メンタルの強さ。
物怖じしない精神力で再び中国勢を打ち破れるか。
・石川佳純
福原愛引退の後、日本のエースとして牽引してきた石川。
現在も世界ランキングは日本最上位をキープしているが、何と言ってもその強みは安定感。
2年前の平野、昨年の伊藤程の爆発力は無いが力強さを増した両ハンドのドライブ。安定したサービス・レシーブ。
経験に裏打ちされた試合運びの巧さは日本随一。
ただ、国際経験豊富な割にはオリンピック、世界選手権等のビッグな大会でのシングルスの良績が無いのが意外だが、中国勢を打ち破って更なる飛躍を見せられるか。
佐藤瞳と加藤美優は上記の3選手に比べてランキング的に劣るのは否めないが、前述したように今年いっぱいの成績がオリンピック出場の鍵を握るので、厳しい組み合わせになる可能性もあるが己の実力と可能性を信じて中国勢にひと泡吹かせる覚悟で立ち向かって、自らの力で道を切り開いて欲しい。
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