パリオリンピックまで5ケ月を切った。続々と代表が決まりつあります
東京マラソンは男子の3枚目の切符を懸けた大会
2時間5分50秒以内を目指して有力選手がしのぎを削りました
一方の女子はハッサンと、日本記録を狙う新谷仁美に注目が集まったが……
東京マラソン男子成績
1 キプルト 2時間2分16秒
2 キプラガト 2時間2分55秒
3 ヌゲティチ 2時間4分18秒
4 キロス 2時間5分43秒
5 ゲタチョウ 2時間6分25秒
6 キベト 2時間6分26秒
7 アラメ 2時間6分27秒
8 カリウキ 2時間6分29秒
9 西山雄介 2時間6分31秒
10 キプチョゲ 2時間6分50秒
東京マラソン女子成績
1 ケベデ 2時間15分55秒
2 ワンジル 2時間16分14秒
3 シャンクレ 2時間16分58秒
4 ハッサン 2時間18分05秒
5 サイナ 2時間19分17秒
6 新谷仁美 2時間21分50秒
7 アベバヤハウ 2時間23分08秒
8 ヒシグサイハン 2時間26分32秒
9 アバエチュウ 2時間28分53秒
10 森田歩実 2時間31分38秒
東京マラソン男子
昨年のマラソングランドチャンピオンシップでの上位2人、小山直城、赤崎暁に次ぐ3人目の代表枠を目指して競った東京マラソン。スタート直後から世界記録を狙う外国人選手と、参加設定記録を目指す日本人選手にグループが分かれる。
それぞれにペースメーカーが付くという不可思議なレース。注目の絶対王者キプチョゲを中心にした外国人グループに食らい付く日本人選手は見当たらず、日本人選手はハナから優勝争いを諦め、ひたすら設定記録を狙う。
ケニア、エチオピア勢が中心の第1グループは世界記録も狙えるようなハイペース。しかし、キプチョゲが20キロ付近でまさかの失速。そしてやはり20キロ地点で日本人有力候補の西山雄介など複数の選手が転倒。
その日本人グループでは日本記録保持者の鈴木健吾や東京オリンピック代表の服部勇馬らがレースを引っ張って後半へ。27キロで鈴木健吾が遅れ、代わって転倒から巻き返した西山雄介と浦野雄平の争いに。
優勝争いは失速したキプチョゲと同じケニア勢の争いに。38キロ付近でスパートしたキプルトがゴールまでほぼ独走で優勝。2時間2分16秒の大会新記録、日本国内最高記録を樹立。キプラガト、ヌゲティチとケニア勢が上位独占。
一方、日本人選手は浦野との争いを制した西山がトップ。同じ駒沢大学出身の其田健也が2位浮上。先を行く西山は設定記録突破の可能性十分。しかし、35キロ以後で失速して日本人トップは守ったが設定記録突破ならず。
東京マラソン女子
パリ切符が掛かった男子と違い、女子の話題はハッサンと新谷仁美。中、長距離で絶大な強さを誇るハッサン。マラソンでも2戦2勝。10月のシカゴマラソンでは2時間13分44秒の世界歴代2位のタイムをマーク。
今回は道中ハッサンらしさが見られず走り難そうな感じ。勝負所でアフリカ勢に置かれてしまい、3戦目にして初めての敗戦。「たくさんの事を学びました。忍耐力をもっとつけないといけない」と、パリでの雪辱を誓った。
一方、パリオリンピックが掛かる名古屋ウィメンズマラソンを目標としないで、あくまでも日本新記録に拘って今大会に参加した新谷。自らペースメーカーを務めた1月28日の大阪国際女子マラソンで前田穂南が19年振りの日本新記録。
「悔しい以外何もない」と1万メートルとハーフマラソンの日本記録保持者の新谷。有言実行で日本記録更新を狙ったが2時間21分50秒の6位。悔し涙を流しながら「言葉ではなく、日本記録という形で返したい」と再挑戦を誓った。
シラケた運営方法
今回の東京マラソンは男子のパリオリンピック代表が掛かったレース。本来なら外国人や市民ランナーとは別のパリを狙う選手同士で走ってもらいたかった。変な雑音無しに代表争いに特化したレースで勝負させてやりたかった。
テレビ観ていても、トップ集団に遅れた第2グループを日本人選手が走っていてしょっちゅうカメラが切り替わる。しかも、女子も入れると3つのペースメーカー集団では選手達も戸惑いがあって集中出来たかどうか……。
そもそもペースメーカーなど必要ない。レースとは速さでなく強さで決めるもの。アフリカ勢とは4分以上の開きがある。速さで劣る以上、タイムの掛かるコースや気象条件で勝負出来る強い選手を育てるのが日本マラソン界の必勝法。