雨に祟られ続けて史上最多の7度の順延を繰り返した夏の甲子園。しかし、8月20日の第7日目以降は順調に試合が行われ、26日でベスト4が出揃った。ベスト8に進んだのが近畿勢5校と史上初。しかも、近畿対決以外は全て勝ち進んで準決勝は近畿勢同士が4校で争うというまさかの展開。
これは、雨に祟られ続けて練習環境の点で苦労した他の地区との違いで有利だったのか。それとも、実力的に抜けていたのかは定かではないが、異例の進行状態になった今大会に相応しいといえるかもしれない。当ブログで予想したベスト8は智弁和歌山、敦賀気比、智弁学園の3校だけというまさかの結果になりました。
準々決勝の結果
京都国際3-2敦賀気比
序盤から敦賀気比・本田克と京都国際・平野順大の両先発投手の投げ合いで緊迫した好ゲーム。お互いにランナーを出しながらも要所を押さえて得点を与えない。2回裏京都国際が二死3塁のチャンスも本田が三振を奪って得点ならず。4回表には敦賀気比が一死1、3塁の絶好の先制機も平野が三振、遊ゴロと踏ん張る。その後、敦賀気比は吉崎空、京都国際はエース森下瑠大と継投しながら7回終了まで両校無得点。
試合が動いたのは8回。敦賀気比が二つの死球を足場にタイムリーと犠飛で2点先取。その裏、京都国際も一死満塁から押し出しと内野ゴロで同点に。9回表の敦賀気比は四球で出たランナーが盗塁死で無得点。その裏、京都国際は無死から先発投手からライトに回っていた6番平野がヒットで出塁。型通りにバントで送った後、8番松下恵富のヒットと相手のエラーでサヨナラ勝ち。7回まで続いた投手戦から終盤一気に動いた試合を、先行されながらも諦めなかった京都国際の粘りの勝利。
石見智翠館1-9智弁和歌山
序盤から一方的な展開。石見智翠館としてはエース山崎琢磨の好投で失点を押さえて接戦に持ち込みたかったところだが、序盤から智弁和歌山打線が着々と得点を加えて4回途中で山崎をマウンドから引きずり降ろした。2番手の山本由吾投手にも8安打を浴びせて5点取りワンサイドゲーム。石見智翠館は最終回1点を取るのが精一杯の完敗。唯一の収穫は7回途中からマウンドに上がった三番手の豊岡慶人投手の力投か。
智弁和歌山は初戦の宮崎商業戦が相手のコロナウイルス感染で不戦勝になっただけに、実践感覚面で心配された。しかし3回戦の高松商業戦を接戦の末制して11安打。この試合も15安打とご自慢の打線が全快。4番徳丸天晴、5番岡西佑弥の当たりが止まっているのが心配材料だったが、揃って打点を上げて上下どこからでも得点出来るようになった。投手陣も心配なく、優勝へ向けて戦力が出揃ったか。
智弁学園3-2明徳義塾
この日、最も注目された強豪校同士の一戦は予想通りの白熱した戦い。明徳義塾・吉村優聖歩と智弁学園・西村王雅の投げ合いはまさに手に汗握る展開になっていく。3回までは両チームともチャンスらしいチャンスもなく静かな立ち上がり。4回表明徳義塾が一死満塁からスクイズて先制すれば、その裏智弁学園は4番山下陽輔のタイムリーで同点。その後も両投手の投げ合いは続き、がっぷり四つの様相で最終回。
9回表いきなり5番代木大和が勝ち越しのソロホームラン。ここで、西村から代わった小畠一心を攻めて一死満塁と追加点のチャンス。しかし、ここは小畠が踏ん張ってダブルプレーで切り抜ける。これが流れを変えたのか、その裏智弁学園は1回からマウンドに立ち続ける吉村に襲いかかる。1番からの好打順でいきなり連打に死球で無死満塁。4番山下が押し出しの死球で同点。更に、5番岡島光星がライトへのサヨナラ安打で勝負を決めた。事実上の優勝戦とも言える熱戦が幕を降ろした。
近江6-7神戸国際大付
神戸国際大付・阪上翔也と近江・山田陽翔の先発で始まったが、先手を取ったのは近江。2回裏4番新野翔大のセンターへの先制アーチと阪上の暴投で2点先取。4回にもタイムリーが出て1点追加。対して神戸国際大付は5回に4番西川侑志の一発でお返し。6回にもタイムリーで1点差に追い上げる。しかし、近江は7回3番山田の2点本塁打。8回にもタイムリーで6-2と4点リード。
勝負ありと思ったが、9回表神戸国際大付の猛攻。二死ランナー無しから代打夜久、松尾のタイムリーと1番関悠人のタイムリーで4点を取って土壇場で追い付いた。しかし、尚も二死2、3塁の勝ち越しのチャンスは再びマウンドに上がっていた山田が何とか三振で切って抑える。その裏、近江は一死から死球で出たランナーを7番春山陽生がライトへのタイムリー二塁打で返して、サヨナラ勝ち。熱戦に終止符をうった。智弁学園-明徳義塾とはまた違ったスリリングな好試合だった。
準決勝の組み合わせ
8月28日 準決勝
近江-智弁和歌山 (9時)
智弁学園-京都国際(11時30分)
ズバリ優勝は❔
まずは、準決勝の第1試合は智弁和歌山の猛打を近江の投手陣が継投でどこまで抑えるかが鍵になるが、智弁和歌山が優勢とみる。
第2試合は京都国際の粘りも侮れないが、投打共に智弁学園が優勢とみる。
決勝戦は史上初の智弁対決になりそう。どちらも、強力な打線を有しているが投手力ではやや智弁学園が優勢か。優勝はズバリ智弁学園とみる。
予想はともかく、残り3試合スリリングな好ゲームを期待して、史上最多の7度の順延で波乱含みだった第103回全国高校野球大会を締めくくってもらいたい。
甲子園ハイライトは⤵️⤵️の記事にもあります