上半期の集大成とも言える競馬の宝塚記念。史上最多のファン投票数を獲得した世界ランキング1位のイクイノックスが単勝1.3倍の圧倒的人気に応えて制し、GⅠ4連勝で力を見せ付けた。
宝塚記念ア・ラ・カルト
第64回宝塚記念
1着 イクイノックス ルメール
2着 スルーセブンシーズ 池添謙一 クビ
3着 ジャスティンパレス 鮫島克駿 1馬身
4着 ジェラルディーナ 武豊 アタマ
5着 ディープボンド 和田竜二 1馬身
宝塚記念といっても、競馬に興味ある人以外はピンと来ないかもしれない。暮れに中山競馬場で行われる有馬記念が年末の一大イベントとして定着しているのと比べると、それ程の世間的な認知度はない。
1956年に創設された有馬記念が出走馬をファン投票で選ぶという斬新な企画で大人気を博した。4年後の1960年、関西地区の競馬を盛り上げようと同様にファン投票で『上半期のナンバーワン決定戦』としたのが宝塚記念。
有馬記念には及ばないものの、それでも過去の勝ち馬は決してひけをとらないメンバー。三冠馬8頭中、シンザン、ディープインパクト、オルフェーヴルの3頭が名を連ねている。
近年はJRAも夏の風物詩として認知度アップを目論み、『暮れの有馬、夏の宝塚』に定着させようと必死。JRAで行われるGⅠ競走中、有馬記念、ジャパンカップの5億円、日本ダービー3億円に次いで、天皇賞・秋と共に2億2千万円という高額賞金でアピールしている。
イクイノックスのこれまで
GⅠ7勝、北島三郎氏がオーナーという事で人気の名馬キタサンブラック、重賞勝ち馬シャトーブランシュの間に産まれたイクイノックス(牡4歳)。デビュー勝ち後、美浦の名門木村哲也厩舎に転厩。
当初はこれ程の名馬になろうとは思われていない節があり、デビュー戦は2番人気での勝利。続く東京スポーツ杯2歳S(GⅡ)快勝も、5ケ月振り3番人気で挑んだ皐月賞は同厩のジオグリフの2着。
続く日本ダービーもドウデュースにクビ差及ばずの2着と勝ち切れない印象。長距離実績抜群の父から菊花賞ならとも思われたが、古馬相手の2000m天皇賞・秋に参戦。並みいる古馬を相手に1番人気に推されて最速の末脚で差し切り念願のGⅠ初勝利。
その後、古馬最強タイトルホルダーとの対決が注目された有馬記念、ドバイシーマCを何れも1番人気で制し、ワールドベストレースホースランキング1位に輝く。そして、今回の宝塚記念は意外に手こずった感もあるが、最後まで抜かせずGⅠ4連勝。
これからのイクイノックス
現在、日本いや世界最強とも言えるイクイノックスの今後の予定が気になるところ。日本ホースマン悲願の凱旋門賞で世界最強を証明するのかという声も聞かれるが、このレース参戦後の名馬達の帰国後の成績が奮わないケースが多いのが気掛かり。
この馬を所有するシルクレーシングの米本昌史代表は、「最後まで本当にハラハラしました。とにかく届けという感じでした」とレースの感想。今後については、「今日はかなりタフなレース。夏の過ごし方を見てジャパンカップを中心に考えていきたい」と国内参戦の予定。
サラブレッドは普通5、6年の競走生活の中で怪我や故障に悩ませられたりして、全てベストコンディションを保つのは難しい生き物。ならば、無理に海外遠征して体調を崩すよりも、父キタサンブラックのように国内のレースに徹して最強伝説を紡ぐのもいい。
現在、GⅠ4連勝のイクイノックス。父は5歳時に最強を誇り有馬記念を逃げ切ってGⅠ7勝で引退。更にその上には最強牝馬アーモンドアイのGⅠ9勝。イクイノックスには父を超えて、アーモンドアイを抜いてのGⅠ2桁勝利を期待したい。
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