大相撲秋場所が9月11日スタート。今場所も混戦になりそうだが、平幕優勝までの大荒れにはならないような気がする。古傷の両膝に不安はあるが稽古はしっかり出来ていた横綱照ノ富士。同じく首の故障は気になるが先場所も最後まで優勝争いに加わった大関貴景勝、全く覇気のない取り口で大関陥落は間違いないと思われた絶体絶命の状況から巻き返した正代、肩の痛みの不安がなくなって元気そうな御嶽海の3大関。更に、関脇、小結に3人ずつの実力者が顔を揃えた三役陣……。この役力士の中から優勝者が出る可能性は高い。ただ、この3場所連続して優勝ラインが12勝以下というレベルの低さは気になる。混戦の優勝争いも面白いが13勝以上の高いレベルでの決着を期待したい。
大相撲秋場所番付
【東】 【西】
横綱 照ノ富士
大関 貴景勝 正代
御嶽海
関脇 若隆景 豊昇龍
大栄翔
小結 阿炎 逸ノ城
霧馬山
前頭筆頭 翔猿 翠富士
前頭2枚目 琴ノ若 明生
前頭3枚目 玉鷲 宇良
前頭4枚目 錦木 高安
前頭5枚目 宝富士 佐田の海
前頭6枚目 若元春 遠藤
前頭7枚目 碧山 阿武咲
前頭8枚目 栃ノ心 北勝富士
前頭9枚目 妙義龍 琴恵光
前頭10枚目 錦富士 隆の勝
前頭11枚目 琴勝峰 千代大龍
前頭12枚目 隠岐の海 竜電
前頭13枚目 一山本 王鵬
前頭14枚目 千代翔馬 豊山
前頭15枚目 照強 剣翔
前頭16枚目 水戸龍 平戸海
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混戦の優勝争いは
今場所こそは大関陣が頑張りそうな気がする。その一番手は御嶽海。ここ2場所怪我に泣いて厳しい攻めが見られなかったが、初日は鋭い立ち合いから終始前に出る積極的な相撲が取れていた。カド番の先場所同じ部屋でコロナ感染者が出て途中休場。その間、自分の相撲を見つめ直し、大関昇進後、責任感から受けて立つ身となって本来のがむしゃらに前に出る相撲が取れてなかったと気付いたという。2場所連続カド番という異例な立場を開き直りに変えて、大関としては初の賜杯を目指す。
対抗は正代。大関昇進して2年になるが早くもカド番4回。しかし、不思議な力士で『火事場の馬鹿力』というか、追い込まれて開き直るという傾向が強い。その中でも最大のピンチは先場所。序盤戦力を付けてきた若手などに悉く敗れて1勝4敗。星勘定だけでなく相撲内容も一方的な上に、目に力が見られず大関陥落間違いなしと思われた。しかし、そこから7連勝を含む9勝1敗で9場所振りの2桁。元横綱白鵬からの助言があったというが、それを実践出来るのも実力の内。死地から甦った勢いで一気に綱取りを目指して欲しい。
三番手といっては横綱に失礼になるかもしれないが、照ノ富士。もちろん、実力上位なのは認めるが横綱になって7場所目、無敵を誇った当初より成績が落ちてここ4場所、11勝、休場、12勝、11勝とじり貧なのが気になる。序盤戦から長い相撲が続いて膝に負担が掛かって、後半は思うように動けなくなっている気がする。周囲が勝手に崩れて優勝という事もあり得るが、ハイレベルな優勝には短い決着の相撲が取れるかが鍵になる。
その他、注目力士
ある意味、優勝の本命とも言えるのが先場所初賜杯を抱いた逸ノ城。大器と騒がれながら精神的なムラと、体重過多が原因で好成績が長続きしない。いつの間にか入幕の頃の『怪物』振りも消えて普通の力士になってしまった感があった。しかし、先場所は照ノ富士を敗るなど大活躍で初の優勝。212キロと相変わらずの重さだが、先場所はそれを武器にしてじっくり自分の相撲を取り切った。それで自信を得て、気持ちの持ち用も変わって欲が出たようだが、毎場所持続出来るか否かが、逸ノ城のみならず相撲界を変える。注目したい。
三役までの争いと先に述べたが、平幕で注目したい2力士を挙げたい。膝の故障も癒えて今年急成長の琴ノ若。先場所も2大関に土を付けるなど、7勝3敗で優勝争いにも期待したが同部屋でのコロナ感染により無念の休場。恵まれた体を生かした攻めの相撲を取りき切れれば、優勝争いと初の三役昇進も狙える器。もう一人は元大関の高安。何度か優勝のチャンスを掴みながら、終盤失速で悔しい思いを味わってきた。その上、今年2回もコロナ感染関連で全休とツキにも見放されている感じ。しかし、今場所は照ノ富士と稽古するなど意欲的。番付の関係で序盤戦は上位と当たらないので、勝ち進んで行けば今度こそ初の賜杯も見えてくる。
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