東京オリンピックまで残り8ヶ月となって各競技の代表が決定し始めている。その中でも熾烈な争いの内の一つが卓球男女。
卓球は来年1月発表時点での世界ランキング各国上位2名がシングルス出場。その2名に加えて団体戦にはあと1名が選ばれるが、それはダブルス等で団体戦に貢献出来る選手を選ぶ事になっている。そのためにランキング2位以内に入ってシングルス、団体戦出場を勝ち取るポイント争いが熾烈になっている。
これまでのポイントで男子は張本智和(木下グループ)、女子は伊藤美誠(スターツ)が既に代表決定。残り1枠を男子は丹羽孝希(スヴェンソン)と水谷隼(木下グループ)、女子は石川佳純(全農)と平野美宇(日本生命)が鎬を削っている。
● 卓球男子代表争いの行方
2019年12月世界ランキング
5位 張本智和 13890ポイント
12位 丹羽孝希 10200ポイント
14位 水谷 隼 10065ポイント
42位 森薗政崇 5195ポイント
44位 神 巧也 5055ポイント
以上が日本人ベスト5の世界ランキングだが、前述したように既に張本の東京オリンピック代表は決定し、残り1枠を丹羽と水谷が争う図式で、水谷と森薗の得点差4870は逆転不可能なので東京オリンピックシングルス出場の2枠目は丹羽と水谷に絞られている。
12月世界ランキング発表の時点での丹羽と水谷の差はわずかに135ポイント。しかも、昨年12月のポイントが差し引かれて新たに今月のポイントが加わる上に、ポイント争い最後の大会『グランドファイナル』には水谷の出場は決定しているが、丹羽は他選手のキャンセルが無い限りは出場出来ない。
水谷が最後の『グランドファイナル』で上位進出した場合、逆転の可能性があり、全く予断を許さない状況になっている。
● 卓球女子代表争いの行方
2019年12月世界ランキング
4位 伊藤美誠 14950ポイント
10位 石川佳純 11515ポイント
11位 平野美宇 11325ポイント
17位 佐藤 瞳 8805ポイント
23位 加藤美優 7545ポイント
女子も男子同様に世界ランキング4位の伊藤の東京オリンピックシングルス出場は決定。2枠目を石川と平野が争い、佐藤以下の選手に逆転の可能性は無いという、男子と全く同じ図式になっている。
ただ、12月4日発表時点のポイントは170ポイント石川がリードしているが、昨年12月に挙げた石川のポイントが多いため、その消えるポイントを換算すると平野の方が今年1月からのポイントは多いので、平野がリードというややこしい状況になっている。
そして迎えた国際大会下部ツアー、チャレンジプラスの『ノースアメリカンオープン』石川、平野共に勝ち上がって迎えた決勝戦。
石川佳純4━2平野美宇
11━9 11━8 1━11 14━12 6━11 12━10
結局、4━2で石川に軍配が上がった。平野もいい卓球はしていたが、第1、第2、第4、第6セットと、競ったセットは全て石川が取っている。勢いに乗った時は平野の高速ラリーが威力を発揮したが、1点を争う場面ではメンタル面で経験豊富な石川が実力を発揮というゲーム。
この結果、ランキングポイントは石川10830点、平野10695点と石川の135ポイントリードに変わった。あとは泣いても笑っても最後の『卓球グランドファイナル2019』を残すのみ。その『グランドファイナル』は12月12日(木)~12月15日中国•鄭州市で行われる。
この大会は今年の年間獲得ポイント上位16選手のみが出場出来るのでシングルスは上位16人が参加。この大会で石川、平野共に同じ成績なら石川のシングルス出場が決定。平野が出場を決めるには石川より上位に進むしかない。
二人とも初戦から年間獲得ポイント上位者との組み合わせになると思うので、場合によっては中国選手と当たる可能性もあるが、そんな事は言っていられない。とにかく、相手が誰だろうが一つでも多く勝ち上がる事。それが東京オリンピックシングルス代表につながる。石川、平野両選手には悔いのない戦いをしてもらいたい。
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