クロアチア・ザグレブで行われている卓球のWTTコンデンター・ザグレブ2023で、女子世界ランク21位の平野美宇が準々決勝から中国勢を連破。決勝では世界ランク1位の孫をフルセットで下して優勝。
6年前に一時中国勢に無双を誇り【ハリケーン平野】と恐れられた平野美宇。東京オリンピック終了後の不調から完全復活して、更に強くたくましくなって再び『打倒中国』の先頭に立つ。
卓球女子世界ランキング(日本選手50位内)
7位 伊藤美誠 2465P
8位 早田ひな 2255P
16位 木原美悠 1445P
19位 張本美和 1315P
21位 平野美宇 1295P
24位 長崎美柚 1020P
2023年7月1日現在
ハリケーン・平野
『第二の福原愛』として幼い頃から注目を浴びていた平野美宇。次々に最年少記録を更新、全日本選手権でも初めての決勝進出を果たした平野。しかし、リオ五輪の選考に漏れ最初の挫折を味わったのは2016年。
そこから平野の反撃が始まる。2016年10月、中国勢以外で初めてのワールドカップ制覇を最年少16歳で達成。更に、中国スーパーリーグに参戦して腕を磨く。
2017年、全日本選手権を史上最年少で制覇。4月のアジア選手権で世界ランク上位の中国勢を連破し初優勝。世界選手権でも銅メダルを獲得し、中国勢から【ハリケーン平野】と恐れられた。
その後、中国勢に研究され徹底的にマークされて殆んど勝てなくなった平野。しかし、東京オリンピック代表選考ではリオの雪辱を果たして初出場。団体戦銀メダル獲得に貢献する。
東京五輪後の平野
しかし、東京オリンピック後の平野は故障や不調が続き、自身最高5位のランキングはいつの間にか20位台後半に低迷。その間、ベスト10以内常連の黄金世代のライバル伊藤美誠、早田ひなに大きく後れをとってしまう。
更に、黄金世代より下の木原美悠、長崎美柚、張本美和などの10代選手の台頭。そして、パリオリンピックの選考ポイントでも出遅れ。このままでは、平野の存在感が失われてしまうのではと懸念された。
しかし、2022年に入り平野は少しずつ輝きを取り戻してきた。WTT主催の国際大会で好成績を挙げると共に、パリオリンピック国内選考ポイントも着実に加点して上昇。
そして、2023年その勢いは更に加速。3月WTTシンガポールスマッシュで世界ランキング3位王に勝利。6月NOJIMA CUP優勝。そして、7月2日WTTコンデンター・ザグレブで世界一の孫を撃破して優勝。
悲願の打倒中国へ
もともと、幼少時から将来は日本の柱になり打倒中国の一番手と評されていた平野。リオデジャネイロオリンピック代表選考に漏れるまでは安定感のあるラリースタイルで成績も安定していた。
しかしリオデジャネイロ後、中澤鋭コーチに代わってから筋力トレーニングに励み速さを活かした攻撃的なスタイルに変身。得意のバックハンドに加えてフォアハンドも強く、より鋭くなり高速ラリースタイルが完成。
しかし、それは諸刃の剣でもあって常に右肩痛などを抱えながらの試合になっている。更に、徹底した中国のマークによってより速く力強い選手に阻まれて、ほぼ全敗という程中国勢に勝てなくなった。
一時、自身喪失したようにみられた平野。東京オリンピック後、再び中澤コーチとのコンビが復活。「目標はパリオリンピックの代表2枠に入る事」というが、その目は遥か先にいるトップの早田をも見据えている。
5月に行われた世界選手権。中国勢が最も注目していたのはランキング上位の伊藤でも早田でもなく平野。「まだ完全ではないがかなり復活してきた」と警戒。その通り今回4年振りに日本人として孫に勝った平野。やはり、打倒中国は平野の完全復活しかない。
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