
プロ野球が開幕して2週間経過
パ・リーグは明暗を分けている球団もあるが
セ・リーグは横一線といったところ
球団だけでなく選手達も明暗分かれつつある
今回は巨人の田中将大と坂本勇人のリポート
小学校以来のコンビ復活
兵庫県伊丹市出身の田中将大と坂本勇人。小学生時は坂本が投手、田中が捕手としてバッテリーを組んでいたとは驚き。中学生も同じ学校で過ごしたがリトルシニアのチームは別々。その後、坂本は光星学院、田中は駒澤苫小牧にそれぞれ進学し、共に甲子園出場を果たした。
サッカーやバスケットボール等がプロ競技として認知されているとはいえ、日本で一番人気あるプロ競技は野球。そして、高校野球の部員数が10年連続で減少しているが12万人以上。そんな中で、同じチームに所属していた小学生が共にプロの一流選手になったのは極めてレアなケース。
楽天、巨人にそれぞれ1位指名を受けた2人。田中はその後メジャーへ移籍し、ヤンキースで7年間主力投手として活躍し78勝。更に楽天復帰の後、今年巨人入り。坂本は巨人一筋で18年間、主力野手としてMVP、首位打者を獲得。共に選手として岐路を迎えた今年再びタッグを組む。
2年ぶりの勝利で復活か田中
今更、田中将大の実績は述べる必要もないが、何といっても伝説と化した2013年の24勝無敗。入団2年目、オリンピック代表に選ばれ参加した空白のせいで9勝止まりはある。が、それ以外は全て日本では2桁勝利で2014年メジャー挑戦。
更に、メジャー移籍後もヤンキースで6年連続10勝以上。2020年は新型コロナウイルスや自らの怪我などの影響で10登板に終わり、3勝止まり。そしてヤンキースから楽天へ復帰。しかし、全盛期の球威を取り戻す事なく4年で20勝。特に昨年はプロ入り初めての未勝利に終わった。
引退の危機を迎えた時に手を挙げたのが巨人。【魔改造】の異名をとる久保康生巡回投手コーチに師事し、田中の再生が始まる。これだけの実績を持ちながら久保の教えに従った田中。フオーム改造から取り組み、徐々に球威を取り戻す。そして、4月3日中日戦で586日ぶりの勝利を手にした。
昨年に続き出遅れ気味の坂本
高卒ドラフト1位で巨人に入団。1年目は顔見せ程度の4試合。しかし、2年目は当時のレギュラー遊撃手二岡智宏の故障もあって開幕からスタメン。その後、故障などの欠場はあるが巨人の遊撃手のポジションを独占。
守備の負担がかかる遊撃手は打撃面で成績を残す選手は少ないと言われる中、昨年まで2415安打。本塁打もあと5本で300号と、希有な実績を積んできた。昨年からは三塁手として開幕から出場し、ゴールデングラブ賞を獲得。ただ、2022年辺りから好不調の波が激しくなっている。
特に昨年、今年とスタメン落ちも増えている。今年は31打数4安打と絶不調。35歳辺りから年齢による衰えが出てくる選手も多い。10代から遊撃手として酷使してきた坂本の場合は更に消耗も激しいはず。控えの三塁手に回ってしまうのか、それとも不死鳥の如く蘇るのか、目が離せない。
明暗分かれるのかと冒頭で述べたが、田中にしてもまだ一試合だけでは復活したとは言い難い。これからの2、3試合が大事。坂本の場合はこの2試合続けてヒットが出てきたが、やはりまだまだ予断は許さない。田中登板の試合で活躍した坂本。2人が互いに高め合って生き残りを懸ける挑戦が始まった。